各国の立場からインドの「戦略的パートナーシップ」についての分析

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上席研究員・ハドソン研究所研究員 長尾 賢

1.“The Japan-India Strategic Partnership: A New Hope for Asia”, Namrata Goswami eds., India’s Approach to Asia: Strategy, Geopolitics and Responsibility (Pentagon Press, New Delhi 2016), pp.127-140. 

 本書籍は、インドがあまりに多くの国と「戦略的パートナーシップ」を結んでいるために、インドの真の意図はどこにあるのか、わかり難い。そこで各国の立場からインドの「戦略的パートナーシップ」について分析したものである。 
 127~140ページでは、日本の立場について書かれている。その中で筆者は、インドの「戦略的パートナーシップ」が、実は中国とパキスタンを念頭に置いた、インドの安全保障上の懸念を反映したものであることを指摘した上で、日印は中国に対する懸念を共有しており、かつ、インドの台頭を地域の安定を促すものとして応援する立場にあり、さらに、具体的に協力できる安全保障上の事項が多数あるため、日本こそが他のどの国よりもインドにとって大事な「戦略的パートナー」であると主張している。 
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2.“The significance of the Japan–India nuclear deal”, East Asia Forum, (Australia National University), 25 December 2015 

 この論文は、2015年12月の安倍首相の訪印に際し、日印原子力協力について原則合意したことに対して書いたものである。オーストラリア国立大学の東アジアフォーラムに掲載された。 
 この論文の中で筆者は、現時点ではあくまで原則合意で、懸案事項が解決されたわけではないが、完全に合意に至ったとすれば、それは大きな意義があると、3つの理由から説明している。1つ目は、日印の原子力協力は、日本がインドの台頭を支援する明確なメッセージを発すること。2つ目は、インドのほかに国際社会が認めるような責任ある核保有大国の候補がほかにないため、日印原子力協力を進めても、核不拡散の体制が崩れていく心配はないこと。3つ目は、アメリカの影響力が低下する中、中国がパキスタンに対して原発を輸出して影響力を拡大している現実があり、日本も中国の影響力拡大に対抗しておく必要があること、である。 
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