官僚政治による長期経済沈滞からの脱却
安倍晋三氏の打ち出したアベノミクスが、20年間にわたる経済の沈滞とデフレから日本を救い出した。まだ成功したと断言はできないが、日本経済が膠着状態を脱したことは確かだ。この酷い膠着状態に陥らせた原因は官僚まかせの政治である。この国家の構造を転換しない限り、安倍氏が去れば、日本は再び膠着状態に戻るだろう。
明治以来、日本を躍進させてきたのは官僚内閣制である。議会は殆どお飾りで官僚が政治のほぼすべてを仕切ってきた。太平洋戦争という大チョンボを除けば、官僚は戦後も統制経済を巧みに操って、日本を経済大国にのし上げた。この成功体験が、実はここ20年間の経済、社会の膠着を生んだと言っていい。私は合計7年間ヨーロッパに駐在し、1980年に帰国し、すぐに第2次臨時行政調査会に出向させられた。第二臨調というのは“土光臨調”とも呼ばれ国鉄、電電、専売3公社を民営化した機関である。
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