<特別研究>横田基地の軍民共用と首都圏空港のあり方
政策提言委員 松前真二
matsumaeはじめに
 横田飛行場の軍民共用化については石原都政2期目の選挙公約としてから東京都が積極的に取り組んできた。ブッシュ大統領・小泉首相の日米蜜月時代には2+2日米共同声明の中で1年以内に調査を終了させて実行ベースに移行するとまで記述されたこともあった。私自身、岩国基地の軍民共用化に深く関わってきており、一時期は周回遅れでスタートした横田に追い抜かれたという印象を持ったことがある。
 東京都では重要施策として知事本局に担当組織を置き、10年以上も調査を実施しているが、なかなか前進しない。それは、我が国を取り巻く国際環境や自然環境に大きな変化があったことに起因する。米軍再編プログラムは我が国の自衛隊の再編も相俟って横田基地の担う軍事上の役割は格段に変化した。まして、中国、韓国、北朝鮮という周辺国との緊張関係は一層横田基地の軍民共用化には大きなハードルとなっている。
 一方では、首都圏の民間航空需要に成田、羽田という既存の空港の処理能力が追いつかなくて相変わらず諸外国からの乗り入れ、自由なダイヤ編成が困難な状況で、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催という追い風も相俟って首都圏空港容量の拡大に向けての整備計画の策定が急務となっている。我が国の民間空港にとっては最後のマスタープランになるであろう。
 そこで、改めて、首都圏空港のあり方について、横田基地軍民共用化も含めて考えてみたい。

続きをご覧になりたい方は...


ホームへ戻る