【特別寄稿】

日台産業連携に向けた挑戦と戦略

台湾義守大学管理学部副教授 李樑堅氏
【翻訳・編集協力】同副教授 江育真氏
同助理教授 陳英仁氏
ri はじめに
 日台産業連携には安定的な1つのモデルが存在する。それは、これまで続けられてきた、台湾企業が日本企業からの注文を受け、設備及び部品を仕入れ、台湾で製品を組立てるというものである。
 日台経済関係は非常に濃厚である。2012年のデータで見てみると、年間貿易額は665.6億であり、主な輸入品は機械、電機設備、化学製品、基本原料金属及び金属製品である。さらに、台湾からの輸出品は主に農産物で、日本は台湾農産物第1位の輸出先でもある。
 これまで、特に1980〜1990年代において日本はアジア経済をリードし、雁行型経済発展の先頭に立ち、アジア4小龍(台湾・韓国・香港・シンガポール)とASEAN(東南アジア諸国連合)10ヵ国を牽引してきた。ところが近年、中国大陸の著しい台頭により、日本のアジア経済におけるリーダーとしてのポジションが揺らぎ始めている。そのような中で、中国大陸と日本の間に挟まれている台湾も、いかにして経済面における自分たちのポジションを確立するかが、大きな課題となっている。
 台湾では今、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)とRCEP(東アジア地域包括的経済連携)への参加についての検討が行われている。これらが実現すれば、台湾の国際競争力は、さらに高まるだろう。
 台湾経済は大きな転換期を迎えている。そのような状況を踏まえた上で、これからの日台産業連携について検討してみたい。

日台産業連携へのチャレンジ
 世界の経済状況が日々変わる今、日台産業提携もそれに合わせて変化していかなければならない。日台産業提携をさらに強化させていくための方策について、以下、論じていきたい。

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