安倍政権が出現した際、米国の新聞は一様に「右派政権誕生」と報じ、安倍晋三氏についても一様に「ナショナリスト」と決めつけた。安倍氏の靖国神社参拝はその“右派”の象徴ともいえる行事だった。米国務省や駐日米大使館は露骨に「失望した」とコメントしたが、日本国内における反響はどうだろう。内閣支持率は上りこそすれ下っていない。
中曽根内閣時代は、首相の中曽根康弘氏自身が中国の胡耀邦主席の立場を慮って靖国参拝を止めた。藤尾正行文部大臣(現文科相)が日韓併合は併合条約に基づいて行われたものだ、と指摘しただけで罷免された。
朝鮮併合は悪かったかもしれないが、インフラの整備、教育の向上など「良いこともした」といった趣旨の発言をして辞任に追い込まれた閣僚は5指にとどまらない。その時代、日本は中・韓に対する贖罪意識を拭い切れなかった。そのせいか日本人は明治以降の正確な近代史を教えられていない。この教養の欠陥は海外に出て初めて自覚する。
日本人が贖罪意識で下を向いて歩いている間に、中国や韓国は一方的情報あるいはニセ情報を世界中に発信し続けた。最近では中・韓両国首脳がアメリカやヨーロッパ諸国を歴訪し「告げ口外交」をして廻っている。
告げ口のことを韓国語では「イガンヂル」という。イガンは漢字で「离間」と書く。要するに友人や同僚のことを人に悪く告げ口して、自分が偉くなろうとする行為である。日本で最も蔑まれる行為だが、中華圏の価値観では“利巧で普遍的やり方”なのだそうだ。
習近平主席は3月ベルリン市内で講演し、日中戦争では「日本の軍国主義によって3,500万人の中国人の死傷者が出た」「南京では30万人以上を殺害した」と述べた。また「ドイツ人ジョン・ラーベが『南京大虐殺』を日記に書いて重要な証拠を残した」と感謝の意を示した。ジョン・ラーベが残したのは5〜6万人の死者と“想定”した数字で30万人とはどこにも書いていない。米国の「軍事史百科」によると日中戦争の被害者は軍人の死亡50万人、傷者は170万人。民間人の死100万人。合計320万人で、これは東京裁判で出てきた数字と合致する。中国人のこの白髪三千丈について日本人があえて黙っているのは「違う」という“物証”がないことと、「1人殺しても2人殺しても同じ。弁明ははしたない」と思って、永らく黙ってきたからだ。
韓国の慰安婦問題も@朝日新聞が吉田清治が書いたでたらめ本を大々的に報じたA朝日新聞が元慰安婦で実はキーセン(妓生)の話を誤報したBこの誤報が韓国人にはね返って河野談話の作成―となった。
この朝日新聞の虚報が元になって、日本大使館前に慰安婦の像が建てられ、米国のグランデール市にも建てられた。20万人の慰安婦が日本兵の性奴隷となったと“史実”は拡大発展して行く。秦郁彦氏によると慰安婦は約2万人で8割が日本人、韓国人が2割だった。
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