「十年ひと昔」。30年ほど前まではこんな言葉もまだ使っていたように記憶する。そんな長閑な言葉では語れない社会になったのが、パーソナルコンピューターの普及と云えるだろう。企業はもとより、家庭に於いても一家に1台が家族に1台。パソコンは最早私たちの生活になくてはならない存在となった。
そのパソコンで今、「アルカイダなんてもう古い」と言われるほどのテロ活動が、いとも簡単にできるようになった。4月のソニーグループへのサイバー攻撃は1億件にも上る個人情報流出事件となり、甚大な被害を蒙っている。その他、生命保険会社・銀行やカード会社・ゲームソフトの会社。また、米連邦捜査局(FBI)や米中央情報局(CIA)、イランのウラン濃縮施設、日本の中央官公庁など国家を狙ったサイバー攻撃も増えてきた。
火器を使う前に、先ず敵のコンピューターを破壊することでほぼ決着がつく新たな「戦争」の時代になったと理解すべきだろう。これが米国の云うサイバー空間、つまり「新しい戦場」の出現だ。
05年から始まった我が国のサイバー攻撃への取り組みは今どのようになっているのか。脆弱と言われるPC管理をどうすれば強靭にできるのか。サイバー攻撃を回避する方法はあるのか、ないのか。ハッカー部隊創設は必要ないのか・・・。
1昨年の7月に引き続き、この問題を取り上げる。今回は、元陸自初代システム防護隊隊長の伊東寛氏に、巧妙かつ複雑化するサイバー攻撃をいかにして防護するかなど詳しくお話を聞く。
テーマ: 「中国・北朝鮮のサイバー戦事情と我が国の状況」
講 師: 伊東 寛氏(元陸自初代システム防護隊隊長・潟宴bク サイバー
セキュリティ研究所長)
日 時: 平成23年8月24日(月)14:00〜16:00 |