72回「Key Note Chat 坂町」
長野禮子

 今回は、おなじみの台北駐日經濟文化代表處元代表・許世楷氏をお招きし、11月29日に行われた台湾統一地方選挙についてお話いただく。
 この選挙は6つの直轄市と里長等を含め、1万1130人を選出する過去最大規模の選挙となった。台湾に存在する22の県と市。特に直轄市と言われる新北市・台北市・桃園市・台中市・台南市・高雄市は、台湾の人口の約70%を占める。
 この統一地方選挙は、親中派の馬英九総統率いる中国国民党が、野党民進党に惨敗した。今回の民進党とそれに近い候補者の大勝利は、特に国家に大きな影響力を及ぼす台北市長と台中市長の座を制した。のみならず、新北市以外の5つの直轄市の市長の座をも勝ち取ったのである。得票率で言えば、6直轄市の市長選挙では、民進党が47.22 %、国民党が40.16%。その他の県・市長選でも民進党47.55%、国民党40.7%と似たような結果だった。
 政権を執って以降、「中台統一」を掲げてきた馬英九政権であったが、両岸の「現状維持」を希望する台湾人の意思が大きく反映された選挙であった。
 これを受けて、早くも中国の台湾工作は始まっている。今後の中台関係、更には、日台、米台、米中関係の今後について目が離せない状況となろう。


 

   講 師 : 許 世楷氏(元台北駐日經濟文化代表處代表・JFSS顧問)
   テーマ : 「台湾統一地方選挙の結果を受けて」
   日 時 : 平成26年12月10日(水)14:00〜16:00




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