野党共闘で最も得をしているのは日本共産党

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JFSS政策提言委員・元参議院議員 筆坂秀世

崩壊過程に突入した民進党
 民進党の新しい代表に前原誠司氏が選出された。この代表選挙で注目を集めたのは、前原氏か、枝野幸男氏かのどちらが選ばれるかでも、2人が掲げる政策でもない。共産党との選挙共闘がどうなるのか、この1点のみである。
 ここにも民進党の置かれた現状が、如実に示されている。最早、誰も民進党それ自体には、何も期待しておらず、関心もないのだ。共同通信と毎日新聞が、それぞれ9月2日から3日にかけて世論調査を行っている。共同の調査では、「期待しない」が51.2% で、「期待する」の40.3% を大きく上回っている。毎日の調査では、「期待しない」が39%、「期待する」は31% に過ぎない。そして、「関心がない」が24% にも達している。
 毎日新聞の調査の方が、私の実感にも合っている。最初に、「期待するか、しないか」と問われるので、そのどちらかを回答するわけであり、実際には「関心がない」というのがもっと多いはずである。この回答は、枝野氏が代表になっていたとしても大差はなかったはずだ。
 余談になるが、かつて私は日本共産党に籍を置いていた。70年代には、「自由社会を守れ」のキャンペーンなど、激しい共産党攻撃が自民党などからされたものである。これは共産党が選挙で躍進し、党勢を拡大していたからである。ところが90年代の後半から、数年前まで共産党攻撃は影を潜めた。共産党が選挙で負け続け、党勢も縮小の一途を辿っていたからである。そもそも関心も持たれていなかったのだ。関心を持たれないというのは、政党として致命的なのである。
 民進党では、今年に入って櫛の歯が抜けるように、離党が相次いでいるが、これは前原体制になっても止まることはないだろう。
 前原代表は、幹事長に女性で若手衆院議員の山尾志桜里氏の起用構想を一端発表したが、山尾氏の不倫問題や一部議員からの反発があり、人事案の撤回に追い込まれ、改めて大島敦衆院議員を充てることにした。時事通信によれば、「経験不足は否めず、離党者が相次ぐ中での党の運営や、次期衆院選の候補者調整などを任せることに不安が広がった」(9月5日)ことが、その理由だと言う。今後も離党者が出るということを想定しての人事だというのだから、笑い話のようなものである。
 この民進党が、衆院選挙で共産党との共闘路線を維持するのか、どうか。代表代行に就任した枝野幸男氏は、共闘路線の維持を明確にしていたが、前原氏は「政策、理念が違う共産党との共闘はおかしい」と述べ、「見直し」を表明してきた。党内には、共産党との共闘に否定的な議員も少なくない。民進党を離党した細野豪志氏や除籍された長島昭久氏らも、共産党との共闘に反対していた。