アジア歴訪で鮮明になったトランプ大統領の対外政策

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JFSS政策提言委員・筑波学院大学名誉教授 浅川公紀

アジア歴訪の成果
 トランプ米大統領は昨年(2017 年)11月15日、大統領として初のアジア5ヵ国歴訪(11月5日~14日)終了を受けて、ホワイトハウスで演説し、北朝鮮とその核兵器プログラムに対する各国との連携確認や貿易不均衡是正を巡り「歴史的進展を遂げた。米国のリーダーシップを再び世界に示す旅となった」と強調、成果を自賛した。
 また、過去の米大統領が米国の雇用、貿易、安全保障を守ることに失敗し、ナイーブ過ぎたと批判。アジア歴訪を通して、主権と尊敬を主張することを恐れないより強く自信に満ちた米国を打ち出すことに成功したと述べた。同大統領は、「米国の更新された自信と世界における位置は今ほど強力だったことはない」と語った。
 トランプ大統領は、アジア歴訪の目的が、北朝鮮の核の脅威に対する国際社会の結束、自由で開かれたインド太平洋諸国との同盟、協力関係の強化、貿易不均衡の是正にあったと指摘。いずれの分野でも満足のゆく結果を得たとの認識を示した。同大統領は、「我々が我々自身、我々の強さ、国旗、歴史、価値観に自信をもつ時に、他の国々も我々に信頼を置く。我々が自国民を相応しい尊敬をもって扱う時、他の国々も我が国に十分相応しい尊敬をもってアメリカを扱う」と語った。
 トランプ大統領は、北朝鮮に対処する「時間がなくなりつつある」と述べた。同大統領は訪日で、安倍首相と「北朝鮮の非核化実現という絶対的な決意」で合意し、「日本は防衛負担をより多く引き受け、米国製のジェット機やミサイル防衛システムを購入することを表明した」とし、「雇用につながる」と言明した。
 また同大統領は、北朝鮮にとって最も重要な国と見られている中国との関係で、「全ての選択肢がテーブルの上にある」ことを確認したと述べた。更に、「非核化という共通目標を果たすため、中国の習近平国家主席が大きな経済力を行使すると確約した」とし、対北朝鮮で中国を強力に引き出したと成果を誇示した。同大統領はまた、北京で、習近平国家主席に「中国との巨額の貿易赤字を削減する必要がある」ことを強調したと指摘した。ただ同大統領は訪中で、米国の対中貿易赤字について「中国を非難」しなかったと批判されている。
 北朝鮮問題は、トランプ大統領のアジア歴訪で最も差し迫った優先課題だった。同大統領は、北朝鮮が米国と同盟国に対する核、弾道ミサイルの脅威を削減させるための制裁適用でアジア諸国の結束を強めたことを成果として強調した。同大統領は、「私は、中国とロシアを含む全ての国に対して、北朝鮮政権が危険な挑発を止めるまで、全ての貿易と商業関係を中断し、同政権を孤立させることを結束するよう呼びかけた」と述べた。