ウチナンチュウとヤマトンチュウ、共に手を携えて

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国家基本問題研究所理事長 櫻井よしこ

皆さん、こんにちは。櫻井よしこです。
 今日は「沖縄を救わねばならない」と題したセミナーを開くということでした。
 沢山の方々がお集まりになったことと思います。残念ながら私は参加することができませんけれども、ビデオでメッセージを送る機会をいただき、本当にありがとうございます。 
 このタイトルを考えると、色んな思いが浮かんできます。「沖縄を救わねばならない」、と言われて沖縄の人たちはどんな思いがするでしょうか。自分たちでしっかりやっているのにと思う方もいらっしゃるでしょう。けれども今、沖縄だけでなく日本を取り囲む国際情勢を見ますと、私たち日本国民が心を合わせて日本を守らなければ、本当に悲惨な状況になるということがよく分かります。
 皆さん、広島で開かれました先進7ヵ国の外相会談で、合意されたことを思い出して下さい。広島に、G7 の外務大臣が皆集まりました。そしてジョン・ケリー米国務長官の音頭取りで、原爆記念館に7ヵ国の外相全員がおいでになりました。かつて原爆を日本に落としたアメリカと、落とされた日本、そして連合国側と枢軸国側、二つの陣営に分かれて戦った国々の外務大臣が一堂に会して、広島を訪れて鎮魂の祈りを捧げたのです。何故でしょうか。
 戦後70年が過ぎたという時間の癒しがあったことも確かでしょう。けれどもよく考えて見ますと国際情勢の非常に大きな変化が、背景にあったこともわかります。 
 今、世界は地殻変動と言うべき大きな変化に見舞われています。アメリカ、ヨーロッパ、日本を中心とする、所謂自由主義陣営の価値観が否定されて、中国やロシア、イスラム国といった全く価値観の違う陣営によって、何か私たちが押され続けているような嫌な雰囲気があります。 
 日本周辺を見るまでもなく、沖縄の皆さん方は中国が殆ど毎日のように何をしているかはお分かりのはずです。日本の領海に中国の公船が入り、漁民の皆さん方を追い払い、日本人はそこに近付くこともできません。このような状況の前に立たされて、私たちはなすすべもなく、ただ見守っています。今はまだこれですんでいます。けれどもこれから更に状況が悪化する時、何が起きるでしょうか。