沖縄の戦略的重要性と南西防衛態勢 ―現場で感じたこと、考えたこと―

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前陸自西部方面総監 番匠幸一郎

皆さん、こんにちは。ただ今ご紹介いただきました番匠です。私は昨年の8月まで西部方面総監を務めておりました。西部方面隊は、九州・沖縄の防衛・警備を担当しているということで、本日のシンポジウムにお声をかけていただいたものと思います。
 実はこのテーマに入る前に、昨年夏まで西部方面総監として勤務していた、愛する熊本が大地震で大変な状況になっています。現地の状況を、特に自衛隊の隊員たち、或いは米軍の協力がどうなっているのか等、皆さんと一緒に見ていきたいと思います。
 14日の夜、16日未明、震度7クラスの地震が2回ありました。目を瞑ると熊本の緑豊かな美しい、そして大変穏やかな住民の人たちの平穏な生活が浮かんできます。それが一瞬にして崩されてしまいました。そして今地元の方々と共に隊員たちが懸命に救助に当たっているところです。
 これは発災した翌日に益城町の体育館に毛布を届けている隊員たちの写真です。現在、陸海空統合任務部隊が編成されて、私の後任の小川総監以下、今日現在で約23000人数日後には26000人と、3万人近い隊員たちと100機を超える航空機、そして10隻以上の大型艦艇が一緒になって活動していると聞いております。
 これも倒壊した家屋です。
 これは大学生たちが犠牲になった南阿蘇村の様子です。
 これは18日、沖縄に展開しているMV-22、所謂オスプレイが救援に駆けつけて来たところです。実は1年半前に熊本で日米共同訓練がありました。海兵隊と一緒に訓練をすることから、初めてオスプレイが参加しました。熊本空港にオスプレイが着陸し、阿蘇周辺の演習場で一緒に訓練をしました。この時に熊本の蒲島郁夫知事始め議会関係者や地元の皆さんにも体験搭乗していただきました。その際、何かあった時には沖縄にいるオスプレイが直ぐに駆けつけるという話題が出たのですが、まさかこんなに早く現実のものになるとは思いませんでした。
 海兵隊の隊員たち、オスプレイを含めたC-130も参加してくれておりますが、第2の日米共同訓練、第2の「トモダチ作戦」が現実に動いているということです。