データで見る『沖縄の不都合な真実』

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経済学博士・評論家 篠原 章

はじめに  
 ただ今ご紹介に与りました篠原章と申します。 
 時間が迫っている関係で、端折りながらお話しさせていただきます。本日皆様のお手元に『報道されない沖縄基地問題の真実』というB5版の本があると思います。篠原が「監修」となっていますけれども、全部一人で執筆した本でございます。本日、こちらでお話しされた先生方のような高度に専門的な議論は含まれていませんが、現在の沖縄の状況を理解するのに必要な知識は殆ど入っています。私の話で不足する部分は、本を読んでいただければ大方補っていただけると存じます。 
 私は昨年(2015年)1月、新潮新書から『沖縄の不都合な真実』という本を共著で出版しました。昨年の2月から今年エルドリッヂ博士の本が出るまで沖縄ではベストセラーでした。沖縄だけでなく、本土の方々にも広く読んでいただきご好評を賜っております。政治家の方々は勿論、防衛省関係者を含めたお役人の方々が、知っていて口にしなかったことを敢えて書いたのが『沖縄の不都合な真実』であり、それをデータで表したのが、皆様のお手元にある『報道されない沖縄基地問題の真実』だとご理解いただければと思います。 
 そこで、本日は主にデータの話をさせていただきます。私は、関西のテレビに出演して忌憚のないところを喋ったために、屡々沖縄に対するヘイトスピーカーだと批判されております。そんなつもりは全くなく、事実を淡々と喋っているだけなのですが、そういう事実を中心にお話をさせて頂きたいと思います。 
  
 基地負担率の実態 
 お手元の資料にもありますが、画面に映し出されているのは、先程エルドリッヂ博士も仰っていた「沖縄には米軍基地の74%が集中している」というデータも含めた米軍基地の実態を面積比で表す一覧表です。 
 74%というのは、「米軍専用施設」と書いてある「沖縄」の部分です。米軍専用施設の73.80%が沖縄に、26.20%が本土に存在しているとなっています。