韓国の生存環境
「韓半島の現状変更」は最早避けられない。現在の韓半島の状況は、スターリンと毛沢東と金日成の南侵戦争の結果として1953年に調印された韓半島の停戦協定に基づいてきた。ところが今この 「1953年体制」を平壌側と中国共産党政権が力をもって変えようとしている。北韓は韓半島の平和装置を全て死文化させた。大韓民国は国家としての生存と独立を守護するため韓国の生存を拒否する勢力からの挑戦に非常な覚悟で対応せざるを得ない。
今の状況が続けば、金正恩の核兵器体系の完成は時間の問題であるだけだ。北側は潜水艦発射弾道弾(SLBM)の発射能力を証明した。残ったのは発射のプラットフォーム、つまり核潜水艦を持つことだ。北韓は核兵器体系のほかにも、韓国に対してまた別の非対称武器を持っている。世界最大規模の特殊戦部隊―「偵察総局」を持っているのだ。
中国は米国との対決構図が続く限り、北韓を放棄する可能性はない。一方、米国は変わりつつある。過去63年間、韓国の安全保障と経済発展の根源だった韓米同盟は、今重大な挑戦に直面している。国際社会は北韓の非核化に失敗した。北韓の核武装は大韓民国が北韓の人質になることだ。結論的に韓半島には戦争の影が濃く垂れている。
韓国が生き残る道は、大韓民国の独立と尊厳を否定する金正恩体制を除去するか、北韓と中国を抑制する決定的な抑止力を持つしかない状況だ。中国が金正恩体制を庇護する限り、そして米国が韓国を救うため核戦争を覚悟しない限り、韓国は結局、独自の核武装以外には生存の道がない。以下、これをもっと詳細に説明する。
韓半島の分断固着の経緯と「1953年体制」
韓半島の分断と分断固着はスターリンの野望によるものだった。スターリンは、第二次大戦で戦勝国になった後、米国に挑戦した。「6.25戦争」(韓国戦争)は、米国と毛沢東を戦わせて両国を疲弊させるため、スターリンが企画したものだった。従って、韓国戦争は20世紀後半の国際秩序の方向を決定した歴史的な戦争だった。米国の全面支援でスターリンと毛沢東のこの挑戦を克服した大韓民国は1953年の停戦協定の後、韓米同盟を通じて自由民主主義と自由市場経済体制を発展させてきた。ところが、今正にこの「1953年体制」が決定的な脅威に直面している。
今、韓半島には平和装置が死文化した。北側は、1992年の韓半島の非核化合意を始め、南北間の平和的共存を目指してきた全ての合意を破棄した。金正恩は絶対に核兵器を放棄できなくなった。国際社会はこれ以上北韓の核問題を対話で解決できるという幻想を捨てなければならない。先月の8月24日、北韓側は潜水艦発射ミサイルの発射能力を立証した。残ったのは核潜水艦を建造、確保することだけだ。北側のSLBM発射成功で、韓国は安保態勢を根本的に変えなければならない危機に置かれた。