中国の地域的、地球的及び宇宙的な兵力の投入

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アメリカ国際評価戦略センター主任研究員 リチャード D. フィッシャー Jr.

 最初に、このような大変重要かつ信望のある機関でお話をする機会を与えてくださった、日本戦略研究フォーラム及び長野さんに心より御礼を申し上げます。
 私の40年弱の経験を基に申し上げますと、紛争において最も決定的な力は、陸軍、海軍、空軍、或いは宇宙軍でもありません。「アイデア」なのです。アイデアは、人が投票する動機であり、優先事項を選定する動機であり、自分の国のために究極の犠牲を払う動機でもあるのです。このような認識でしたので、私は多くの時間を研究機関或いはシンクタンクでの研究に使おうと思うようになりました。ですから今回、日本防衛のアイデアをもたらす主導的な役割を果たしている日本戦略研究フォーラムでお話ができることを大変光栄に思っております。

中国共産党の戦略目的
 本日は、中国の戦略的な目標はどのようなものなのかについて簡単にご説明します。また、日本やアジアの平和を脅かしている中国の戦略或いは手段についてもご説明したいと思います。
 中国共産党は、基本的にほぼ同時に3つの大きな戦略目標を追求しています。1つ目は、中国共産党の生存を確保することです。2つ目は、アメリカ主導の軍事同盟関係を打破し覇権を確立し、アジアを支配することです。3つ目は、同時に中国が地球的規模で、更に宇宙にまで兵力を投入する手段を開発し、やがてこれを用いて地球-宇宙システムを支配することです。

日本を脅かす戦略-軍事力の近代化と拡大
 中国は今日、日本を脅かす5 つの戦略を実施しています。第1 の戦略は、軍事力の近代化と拡大を続けて日本を支配することです。
 中国は、15 年前に第一世代の移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)を導入しました。今日、それが多弾頭搭載可能な大型となり、同時に、戦略ミサイル防衛システム及び新たな宇宙戦争の遂行手段を開発しています。初期の中距離弾道ミサイルは、準中距離弾道ミサイルへと転換され、第四世代の戦車の設計は、第五世代の戦車の設計へと順次置き換えられています。また中国は、第四世代の戦闘機から第五世代の戦闘機へ、更に爆撃機も第二世代から第五世代へと移行させつつあります。