平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、1000年に一度と言われる未曽有の災害をもたらしました。(略)
自衛隊は、発災後に10万人態勢の災害派遣出動が発出され、様々な法的不備から生じる困難を克服しながらこれに取り組みました。寝食を忘れて活動に没頭する自衛隊員の姿は国民の胸を打ち、最後のよりどころとなった自衛隊は、国民の大いなる信頼感と感謝の気持ちを獲得したと云えましょう。
私どもは、東日本大震災における災害応急対策の際に明らかとなった様々な事態を分析し検討し、その解決策や克服策について法的側面から提言するものであります。「防災と法」研究会は、法的不備あるいは法解釈の不徹底等から、災害応急対策が十分に行われなかった理由とその克服策を検討し、平成23年9月に開始され本年4月までの間に延べ12回実施されました。この提言は、その成果を取り纏めたものであります。 (序言より)
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