「『武漢ウイルス』騒ぎに見る中韓の対応」
―衛生観念の無さと問題のすり替え―

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会長・政治評論家 屋山太郎

 コロナウイルス騒ぎを通じて中国と韓国との付き合い方がよりよく分かってきた。日経新聞3月7日付の記事の引用。「私たちはマスクをつけたまま世界に向けて頭を下げ『ご迷惑をかけた』というべきではないか」と2月20日、中国のSNS(ネット上のサイト)でこうつぶやいた。中国中央テレビ局などの番組司会者として知られる邱孟煌氏である。
 日本人の常識として、迷惑をかけている相手がそう言えば、納得はしないが向こうは礼を尽くしていると判断する。ところがこのSNSに国内から激しい反発が起こり邱氏のコメントは削除された。中国人にとって一族以外の他人に対して謝るとはとんでもない非常識なのである。番組司会者は多様な人種と会っているから「頭を下げる」くらいは常識だと思っていたのだろう。謝らないとしたら「どう始末するのか」と思っていたら、習近平氏来日延期の段取りをつけにやってきた楊潔篪共産党政治局員が、帰り際に「マスクと防護服を日本に贈呈する」と言ったのである。あたかもコロナウイルスの発症地は日本だと錯覚させる言動である。「私のせいではない」と百万回唱えれば、中国の歴史では発症国は日本だと定着するのだろう。南京大虐殺記念館に「殺されたのは30万人」と書いてあるが、当時の南京の人口が約20数万人だったことはその後の調査で明らかだ。大虐殺について当時の欧米の新聞は取り上げていない。
 誰の責任だか、はっきりさせておくために私は今後「武漢ウイルス」と呼びたい。
 日本政府は感染症対策として9日以降に中国と韓国からの入国制限を強化することにした。これに対して韓国の康京和外相は富田浩司駐韓大使を呼びつけて「非友好的で非科学的だ」と遺憾の意を表明、早期の撤回を求めた。病気にまつわる諸措置は当事国がそれぞれ判断すべき政策である。安倍首相が取った小中学校などの休校は専門家の意見を集約して、首相の名で断行したものである。相手が“仕返し”的な判断でお返しするものではないだろう。初期の頃、中国では「日本に申し訳ない」など他国の感染者を気遣う声がネット上で多く見られた(日経)という。
 ところが2月中旬を境にウイルスの世界的流行について「中国だけが責任を負うべきではない」といった意見が出始めた。いまや感染拡大は諸外国の失敗という意識になっている。イタリアは3月4日、すべての学校を15日まで休校にすることに決めた。感染者は7日現在で5,883人、死者233人に達した。中国人と韓国人は外国に住み着いてすぐにチャイナ・タウン、コリアン・タウンを形成する。日本人は「郷に入れば郷に従え」という常識で他国に住むが、中・韓の人は他人の国の庭先で親戚同士、街づくりをする。道路にテーブル、椅子を持ち出して食事をして周りを汚す。ごみを片付けない。この衛生観念の無さこそが病気を生み出す源なのだ。
(令和2年3月11日付静岡新聞『論壇』より転載)