台湾有事研究会(政策シミュレーション)

 

発足趣旨

日本をめぐる外交安全保障環境が大きな変化を迎える2021年、日本戦略研究フォーラム(JFSS)は我が国の外交・安全保障に関する政策提言を活動の柱とするシンクタンクとして「台湾との関係強化が日本の安全、ひいてはインド太平洋地域の安全を高めることに資する」との考えの下、日台関係を外交・安全保障の側面から考え、政策提言を行うための研究会を立ち上げるものである。

 このコロナ禍にあって世界は大きな動揺と混乱を来しているが、米国政権は,今かつてないほど国際社会に台湾支持を広めている。さらに,日本および米国,豪州、インドといった4か国協議枠組みは中国を抑止し、「自由で開かれたインド太平洋」戦略を実現する鍵として機能しつつある。2020年12月からはフランス,イギリス、そしてドイツといった欧州諸国もこの地域に戦略的価値を見出し、日本との協力を模索している。我が国の尖閣諸島および南西諸島の防衛は東シナ海をめぐる中国の動きと密接に関わることから、台湾有事は日本の国益と不可分との認識をもち、その認識を政策として落とし込んでゆくことを検討すべき段階にある。

 にも拘らず、現在日本政府は日台関係の標準化に向けた政策案すら提示せず、専ら習近平国家主席の国賓招致検討を続けるなど中国の顔色を窺っている。この態度が日本の南西諸島防衛および上述の諸外国との関係強化に水を差すと認識する必要がある。そして台湾の「親日感情」に胡坐をかいた日本側の由々しき怠慢を自戒しなくてはならない。逆に、あらゆる位相での台湾との関係強化が中国を牽制し、国益を守る「自由で開かれたインド太平洋」を完備する上で肝要であることを、今こそ積極的に発信してゆかなくてはならない。

 そこで、JFSSはこれまでに培ってきた実務者、研究者、政治家のネットワークを活用し、わが国が有する台湾研究の英知と日台交流を総動員して政策本位の台湾研究を開始する所存である。

 

目的

【其の一】国交の有無にかかわらず政治、国防、外交、各種研究分野での交流が通常の主権国家並みに実施できること

【其の二】日本のあらゆるレベル・分野において日台関係強化・深化が日本の安全に資するとの意識を共有し、「国民の総意」として日台関係の支持の裾野を広げること

【其の三】日台関係について未来志向且つ現実的な問題意識を共有した業界・世代を超えたネットワークを構築・拡大・維持すること

 

期待される成果

日台間の関係を国家間に準ずるものとする政策提言を行う。

日台関係強化が国益という理解を広め国民理解の裾野を広げる。

時機到来に備えた「台湾関係法」を整備するための材料を提供する。

南・東シナ海及びインド太平洋地域における関係国の共通益が存在するという認識を共有する。

 

メンバーについて

主としてプロジェクト推進に指導的な役割を担い、成果物/報告書の執筆及び取り纏めを行う「コアメンバー」と、研究の深化に貢献する「研究会メンバー」、そして事務等を担当する「事務局」に分かれる。各メンバーについては確定次第公表する。

 

活動内容

①  定例研究会(月1回)

毎回外部もしくは内部の講師を招聘し、司会、討論者を用意することが望ましい。研究会はチャタムハウスルールで行い、記録する。開催概要を逐次ウェブサイトに掲載し、ログをとる。定例研究会には回によって講師を招聘し、最新の専門的知見を研究、実務の両面から学び、プロジェクトを進める。各研究会のテーマや招聘講師についてはメンバーと事務局の協議で決める。

②  成果本作成のためのヒアリング、意見交換

国内外の専門家、実務者との対話を通じて執筆に必要な情報を補う。年1回程度の頻度で台湾での意見交換を目的とした共同研究会を開催することが望ましい。

③  年次総括セミナーの開催

プロジェクト全体の進捗報告及び、最終成果物作成に向けたマイルストーンとしてセミナー(ウェビナー)開催。内容は『政策提言報告書』としてとりまとめる。

 

 

 

 

FRA-JFSS 第1回政策シミュレーション
「民主主義の盾」

【実施概要】
 
日程:2026年8月8日(土)、9日(日)
 
 
会場:リージェント台北ホテル
 
 
参加者:日本セル
国会議員 小野寺五典 衆議院議員
     大塚 拓  衆議院議員
     鹿嶋祐介  衆議院議員
     神田潤一  衆議院議員
     鈴木馨祐  衆議院議員
     長島昭久  衆議院議員
     山下貴司  衆議院議員
     有村治子  参議院議員
元官僚  島田和久  元防衛事務次官
元自衛官 土本英樹  元防衛装備庁長官
     荒木淳一  元航空教育集団司令官
 
 
台湾セル
立法委員                  鍾佳濱
                      郭國文
                      李坤城
内政部政務次長               馬士元
元農業部長・国立中興大学副学長       陳吉仲
国家安全会議諮問委員            李漢銘
総統府「全社会防衛強靱性委員会」委員    劉玉皙
大園汽電共生股份有限公司董事長       吳進忠
国防部軍医局長               蔡建松
中華顧問工程司執行長            李慶鋒
元台北農産運銷股份有限公司董事長      黃向羣
経済部能源署科長              戴天適
経済部水利署副総工程司           周文祥
経済部水利署水源保育事業組簡任工程司    耿承孝
海巡署金馬澎分署副分署長          周彥文
衛生福利部社会救助・社会工作司長      楊雅嵐
黒熊学院執行長               朱福銘
台湾安保協会副秘書長・黒熊学院共同創設者  何澄輝
淡江大学経済学部教授            蔡明芳
中央警察大学水上警察学部准教授       葉雲虎
中央警察大学国境警察学部助理教授      張喻敏
中華経済研究院助研究員           許家勝
中華経済研究院助研究員           蔡靜仙
台北地方法院国家安全・軍事専門法廷裁判官  許凱傑
福和会理事長                 陳彥升
福和会副理事長               黃國欽医師
福和会顧問                 余宗基将軍
福和会顧問                 李明峻教授
福和会秘書長                洪清森
福和会副秘書長               侯敏慧
 
 
米国セル
日本戦略研究フォーラム顧問   ロバート・D・エルドリッヂ博士
元米海軍第70任務群司令官    マーク・モンゴメリー少将(退役)
元米国在台協会台北事務所長   ウィリアム・A・スタントン博士
ユダヤ政策センター上級研究員  ゲルマント・レイラリ氏
 
 
統裁部
        台湾            日本
代表      陳彦升・FRA会長         島田和久・JFSS副会長
統裁部長                  岩田清文・元陸上幕僚長
シナリオ統制長  李明峻教授        武居智久・元海上幕僚長
同上補佐    岩元瑞希(FRA)      松原実穂子・NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジスト
研究会進行   劉教授、李教授      武居智久(兼)
記録      FRA           高田克樹・元陸上総隊司令官
メディア担当  FRA           田北真樹子・産経新聞編集局編集長
全般管理    FRA           長野禮子・JFSS事務局長
        FRA           橋本量則・JFSS研究員
 
 
シナリオの概要
1 シミュレーションの目的
(1)トランプ2.0における日台・日米台の安全保障協力について認識を深める。
(2)日台の全社会レジリエンス強化に向けた協力の可能性を議論する。
(3)日本の戦略3文書見直しへの提言を得る。
(4)日台の安全保障協力の重要性について台湾の世論を啓発する。
(5)日台議員交流の機会とする。
 
2 シミュレーションで取り上げた主要テーマ
(1)認知戦に影響されない政治意思の決定と日台・日米台協力
(2)台湾有事における日本の対中政策、対台湾政策の課題
(3)台湾有事における台湾の対米政策、対日政策の課題
(4)全社会レジリエンシー(特に、台湾が封鎖された状況における日米台協力)の課題、
   長期消耗戦(3年程度)を遂行するために準備すべき事項
(5)台湾有事の各段階における日台協力、日米台協力とその課題
(6)米国の政治的・軍事的コミットメントの信頼性を高めるための課題
(7)台湾からの邦人輸送と避難民保護(Humanitarian corridor:人道回廊の設置、台湾・
   各国のNEOを含む)、先島諸島の国民保護
 
 
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第4回 台湾海峡危機政策シミュレーション
「流動化する世界構造と日本の防衛」
オープニング動画(YouTube)

https://youtu.be/Uc4LoW6ptyY

成果報告書
第4回 台湾海峡危機政策シミュレーションの成果概要
「流動化する世界構造と日本の防衛」

 
2024年7月に開催された、第4回政策シミュレーション「流動化する世界構造と日本の防衛」の成果報告書を公開し、多くの人とこの成果を共有したい。

第4回 台湾海峡危機政策シミュレーション
「流動化する世界構造と日本の防衛」

【実施概要】
 
日程:2024年7月13日(土)、14 日(日)
 
会場:ホテルグランドヒル市ヶ谷
 
参加者:日本セル
総理大臣役:小野寺五典/衆議院議員
総務大臣役(13日):和田義明/衆議院議員
総務大臣役(14日):細野豪志/衆議院議員
総務事務次官役:鈴木茂樹/元総務事務次官
外務大臣役(13日):大塚 拓/衆議院議員
外務大臣役(14日):松川るい/参議院議員
外務事務次官役:石井正文/学習院大学特別客員教授・元駐インドネシア大使
財務大臣役(13日):神田潤一/衆議院議員
財務大臣役(14日):小森卓郎/衆議院議員
財務事務次官役:木村茂樹/元財務官僚・内閣審議官
経済産業大臣役(13日):小林鷹之/衆議院議員
経済産業大臣役(14日):大塚 拓/衆議院議員
経済産業事務次官役:小宮義則/元特許庁長官
国土交通大臣役(13日):山下貴司/衆議院議員
国土交通大臣役(14日):鈴木英敬/衆議院議員
国土交通事務次官役:岡西康博/元国土交通審議官
海上保安庁長官役:奥島高弘/元海上保安庁長官
防衛大臣役(13日):細野豪志/衆議院議員
防衛大臣役(14日):和田義明/衆議院議員
防衛事務次官役:土本英樹/前防衛装備庁長官
特命担当大臣(沖縄・北方)役(13日):尾﨑正直/衆議院議員
特命担当大臣(沖縄・北方)役(14日):鈴木馨祐/衆議院議員
特命担当大臣補佐役:本松敬史/元陸将
内閣官房長官役(13日):鈴木馨祐/衆議院議員
内閣官房長官役(14日):山下貴司/衆議院議員
内閣官房副長官役・戦略コミュニケーション(13日):鈴木英敬/衆議院議員
内閣官房副長官役・戦略コミュニケーション(14日):尾﨑正直/衆議院議員
内閣官房副長官役・宇宙(13日):小森卓郎/衆議院議員
内閣官房副長官役・宇宙(14日):神田潤一/衆議院議員
内閣官房副長官役・サイバー:兼原信克/元国家安全保障局次長
内閣官房副長官補役・戦コミ宇宙担当:尾上定正/元空将
内閣官房副長官補役・サイバー担当:住田和明/元陸将
内閣危機管理監役:高見澤將林/元国家安全保障局次長
内閣情報官(兼状況付与)役:荒木淳一/元空将
国家安全保障局長役:島田和久/元防衛事務次官
統合幕僚長・統合作戦司令官役:山村 浩/前海上幕僚長
陸幕長役:高田克樹/元陸将
海幕長役:湯浅秀樹/元海将
空幕長役:武藤茂樹/元空将
 
ホワイトセル
セル長:長島昭久/衆議院議員(兼)
米国大統領役:ケビン・メア/元国務省日本部長
米国務長官役:長島昭久/衆議院議員
国防長官・統合作戦司令官 in Japan役:ロ―レンス・ニコルソン/元海兵隊第3遠征軍司令官
通訳:マット・コルピッツ/日本ロッキードマーティン
台湾総統役:頼怡忠/遠景基金会執行長
台湾参謀総長役:李喜明/元参謀総長
台湾国家安全会議秘書長役:林彦宏/台湾日本研究院事務局長
台湾国家安全会議補佐:渡邊金三/元陸将補、福田 円/法政大学教授
経済界及び中小事業者役:江口 豪/サントリーホ―ルディングス株式会社/インテリジェンス推進本部長
            高田修三/元経済産業省製造産業局長
法制担当:中村 進/元海将補
沖縄セル長:又吉 進/元沖縄県知事公室長
同補佐:本松敬史/元陸将(兼)
沖縄経済界:出村郁雄/沖縄県経済同友会常任幹事
先島諸島首長役:中林啓修/日本大学准教授
メディア担当:有元隆志/JFSS政策提言委員、田北真樹子/JFSS政策提言委員
 
サイバーセル
セル長:大澤 淳/中曽根平和研究所主任研究員
レッドセル(中国):Yuster Yu、フォワードアライアンス リサーチフェロー
ブルーセル(日米):松原実穂子/NTTチーフサイバーセキュリティ・ストラテジスト
          川口貴久/東京海上ディーアール株式会社主席研究員
 
統裁部
統裁部長:岩田清文/元陸上幕僚長
シナリオ統制/副部長兼統制長:武居智久/元海上幕僚長
補佐:内山哲也/元海将補、渡邊剛次郎/元海将
副部長:岡部俊哉/元陸上幕僚長
メディア説明長:清田安志/元陸将
メディア説明補佐:岡本兼一/元空将補
オブザーバー説明・大使館:金古真一/元空将、
オブザーバー説明・一般:引田 淳/元空将、丸谷元人/JFSS政策提言委員
オブザーバー説明・協力関係:鈴木直栄/元陸将、有村誠一郎/元空将補
全般管理:岩谷 要/元陸将、堀江祐一/元陸将補
全般管理・オブザーバー担当:長野俊郎/JFSS常務理事、西山淳一/JFSS監事、藤谷昌敏/JFSS政策提言委員
政治家担当:長野禮子/JFSS理事・事務局長、長野俊一/JFSS事務局
 
シナリオの概要
背景想定
習近平は、2027年10月頃の第21回共産党大会における国家主席3期目の任期末(4期目を追求)を控え、中国人民解放軍創設100周年記念日行事(同年8月1日)までに何らかの「歴史的成果」をもって、軍並びに党の内外に求心力の確保を図ることが必要。これに向けて中国は、台湾統一に向けた準備を数年にわたり継続的かつ計画的に進めた上で、時機をとらえて行動を活発化させ、統一への過程を進める。
 
【1日目】
シナリオ①[想定年:2024年8月~2026年8月頃](3時間)
平時〜ライト・グレーゾーン・        
  • 台湾侵攻に向けた数年をかけた準備と戦略環境の整備
  • 台湾侵攻準備に備えたサイバー偵察活動(ゼロディを利用した「ネットワーク貫通型」攻撃の活発化)
  • 国内大規模震災の発生(大規模な自衛隊兵力の投入)
  • 東シナ海における中国軍の軍事活動の常態化
  • 日台に対する軽度の認知戦(大衆、政治指導者対象、戦争忌避に仕向ける為)
  • 発電に重要影響のあるLNG輸入が一時停止する事象
 転換点★習近平が台湾侵攻の好機と判断する事象が発生
 
シナリオ②[想定年:2026年8月~2027年2月](3時間)
ダーク・グレーゾーン        
  • 習近平が台湾侵攻準備を命令。中国の要請に応じた北朝鮮とロシアの陽動作戦を伴いつつ、半年程度の本格的侵攻準備
  • 中国は、2027年春節後の「重要軍事演習」を名目に、台湾海峡の現状変更の為の人的/物的動員を開始
  • 侵攻準備に向け、日台を対象にした強度の認知戦(制脳権の戦い「情報操作型サイバー攻撃」の実施)
  • 台湾統一選挙(2026年11月)を経て、台湾内で「現状維持」のコンセンサスが確定
  • 中国における、台湾統一に向けたナショナリズム高揚
  • 北朝鮮は中国の意を受け、戦争未満の規模と効果に留めつつ陽動作戦を開始(核実験、弾道ミサイル発射等)
【2日目】
ミニ・ワークショップ(1時間)
台湾海峡危機に関する認識の相互理解を促進する為、日本・米国・台湾、それぞれの基本的な政策方針に関する討議を実施
 
シナリオ③[想定年:2027年2月~2027年6月](5時間)
台湾海峡の現状変更
現状変更への着手
  • 台湾の隔離:中国は非軍事的手段による平和的な統一を開始する。台湾を情報通信的に外部世界から孤立させるとともに、認知戦や台湾を発着する海空交通の選択的な遮断などによって、台湾当局に対中融和政策を選択させる。
  • 台湾の封鎖:中国は非軍事的手段と軍事的手段を併用して、台湾を情報通信的かつ物理的に外部世界から孤立させ、台湾当局に対中融和政策を選択させる。封鎖は次第にエスカレートし、台湾に至る海上交通の破壊、台湾周辺海域の実質的な自由航行の停止、A2/ADに米支援勢力へのハラスメントへ拡大する。
  • 武力侵攻: 台湾当局や一般市民の抵抗が継続、外国政府が介入する事態となり、中国は本格的侵攻による武力統一に着手。
  • 台湾有事が日本に拡大:自衛隊や在日米軍の台湾海峡危機への介入を阻止する為、九州と南西諸島に対する攻撃にエスカレートする。やがて重要インフラへの攻撃、民間への被害など、事態の拡大が不可避となり、反撃能力の行使を含む、中国に対する積極的な防衛作戦が必要となる。
 

成果報告書
第3回政策シミュレーションの成果概要
「徹底検証:新戦略3文書と台湾海峡危機
―2027年に向けた課題―」

 

成果概要はこちら

 2023年7月に開催された、台湾有事を想定した第3回政策シミュレーション「徹底検証:新戦略3文書と台湾海峡危機―2027年に向けた課題―」の成果報告書を公開し、多くの人とこの成果を共有したい。

成果速報
第3回 台湾海峡危機政策シミュレーション
「徹底検証:新戦略3文書と台湾海峡危機 ―2027年に向けた課題―」

 
 
 7月15日~16日、ホテルグランドヒル市ヶ谷において、日本戦略研究フォーラム(JFSS)主催「第3回台湾海峡危機政策シミュレーション」が開催された。
 
 今回、11名の日本の国会議員、米国の元高官に加えて、台湾の有識者も参加し、初めて日米台が揃うかたちでのシミュレーションとなった。
 
 前回の成果及び新たな戦略3文書の策定を踏まえ、2027年時点で概成が見込まれる安全保障体制を前提として、テーマを絞った政策シミュレーションを実施し課題を抽出することを目的とし、併せて、政策立案者、専門家及びメディアの幅広い参加を得てシミュレーションを実施・公開することにより、参加者の一層の理解の深化と一般世論の意識向上を図ることも目的として、実施された。
 
 本日(7月18日)、成果速報を公開する。
 
 
 
 

第3回 台湾海峡危機政策シミュレーション
「徹底検証:新戦略3文書と台湾海峡危機 ―2027年に向けた課題―」

 

【実施概要】

日程:2023年7月15日(土)、16日(日)

会場:ホテルグランドヒル市ヶ谷

参加者:日本セル
総理大臣役:小野寺五典・衆議院議員
総務大臣役:細野豪志・衆議院議員
総務事務次官役:渡辺克也・元総務審議官
外務大臣役:和田義明・衆議院議員
外務事務次官役:石井正文・学習院大学特別客員教授/前駐インドネシア大使
財務大臣役(15日):尾﨑正直・衆議院議員
財務大臣役(16日):神田潤一・衆議院議員
経済産業大臣役:鈴木英敬・衆議院議員
経済産業事務次官役:小宮義則・元特許庁長官
国土交通大臣役:有村治子・参議院議員
国土交通事務次官役:武藤浩・元国土交通省事務次官
海上保安庁長官役:奥島高弘・前海上保安庁長官
防衛大臣役:木原稔・衆議院議員
内閣官房長官役:長島昭久・衆議院議員
内閣官房副長官役(SC・宇宙・サイバー担当):尾﨑正直・衆議院議員(16日)
内閣官房副長官役:高田修三・元内閣府宇宙開発戦略推進事務局長
内閣官房副長官役:大澤淳・中曽根平和研究所主任研究員
内閣危機管理監役:高橋清孝・元内閣危機管理監/元警視総監
内閣情報官:兼原信克・前国家安全保障局次長
補佐兼連絡役:本松敬史・元陸将
国家安全保障局長役:島田和久・元防衛事務次官
補佐兼記録役:尾上定正・元空将
統合幕僚長役:山村浩・元海上幕僚長
陸幕長役:髙田克樹・元陸将
海幕長役:湯浅秀樹・元海将
空幕長役:武藤茂樹・元空将
 
ホワイトセル
セル長:髙見澤將林・元国家安全保障局次長
米国大統領役:ケビン・メア・元米国務省日本部長
米国安全保障担当補佐官役:クリス・ジョンストン・元米NSC日本担当
米国務長官役:松川るい・参議院議員
米国防長官役:大塚拓・衆議院議員
台湾総統役:賴怡忠・遠景基金会執行長
台湾国家安全会議秘書長役:林彦宏・台湾国防安全研究院助理研究員
助手:楊長蓉・台湾国防安全研究院助理研究員
台湾国防部長役:渡邊金三・元陸将補
経済界代表役:宮永暢・サントリー常務執行役員/経営企画本部長
法制担当:中村進・元海将補
沖縄県担当:又吉進・元沖縄県知事公室長
メディア担当:有元隆志・月刊正論発行人
 
中国セル
セル長:村井友秀・東京国際大学特命教授
セル長代理:住田和明・元陸将
セル長補佐:渡邊剛次郎・元海将(兼)
セル長補佐:荒木淳一・元空将(計画作成時)
 
統裁部
統裁部長:岩田清文・元陸上幕僚長
シナリオ統制長/副部長:武居智久・元海上幕僚長
         補佐:内山哲也・元海将補
           :渡邊剛次郎・元海将(兼)
研究会進行/副部長:岡部俊哉・元陸上幕僚長
政策提言長(記録)/副部長:尾上定正・元空将(兼)
補佐:本松敬史・元陸将(兼)
メディア説明・長:清田安志・元陸将
補佐:岡本兼一・元空将補
オブザーバー説明・米英豪台ポ等大使館:荒木淳一・元空将
補佐:佐藤隆信・JFSS研究員
オブザーバー説明・一般:金古真一・元空将
オブザーバー説明・協力関係:鈴木直栄・元陸将
             :有村誠一郎・元空将補
全般管理:岩谷要・元陸将
    :堀江祐一・元陸将補
全般管理・オブザーバー担当:長野俊郎・JFSS常務理事
             :西山淳一・JFSS監事
             :藤谷昌敏・JFSS政策提言委員
             :橋本量則・JFSS研究員
政治家担当:長野禮子・JFSS理事・事務局長
     :長野俊一・JFSS事務局

 

《シナリオの構成》
1. ハイブリット戦の始まり
表向き軍事力を伴わず「防衛上の事態」とは見え難い活動への対応
  • 中国は台湾当局・台湾軍のネットワークに侵入し「機能妨害型」と「機能破壊型」のサイバー攻撃を実施。台湾の社会インフラへのサイバー攻撃も開始され、社会生活が麻痺。
  • 先島諸島の海底ケーブルが切断され、与党議員に対するサイバー攻撃(情報窃取)が発生、偽情報が流布される事態に発展。日本政府は戦略的コミュニケーション(SC)による対応を迫られる。
  • 同時期に尖閣諸島で中国漁民の上陸事案が発生。また、南小島に海警船にエスコートされた大規模浚渫船団(約10隻)が到着、海保巡視船を排除しつつ現状変更(岩礁部埋め立て)と「海洋観測施設」の建設を開始。
2. 台湾有事は我が国有事
台湾有事が現実のものとなっていく中での我が国の立場
  • 新たな米下院議長が訪台し、強く反発した中国は2022年8月を上回る規模の軍事演習を開始し、前回の軍事演習区域を拡大して海上臨時警戒区を設置、ミサイル発射と軍事演習を継続。
  • 中台中間線を越え中国軍戦闘機が活動、台湾空軍機と衝突。金門島守備兵が中国のドローンを撃墜し台湾海峡情勢が急速に悪化、軍事的な小競り合いが継続、台湾当局は国家非常事態を宣言。
  • 米国政府は事態沈静化のため軍事的プレゼンスを増加し、日本に後方支援等を要望する。
  • 台湾から日本人約8,000名、米国関係者約1.2万名の保護と輸送の所要が発生。
  • セレベス海に迂回した日本関係船舶に対し中国海軍が針路変更を要求、LNG輸送を阻害。
  • 有志国が日本政府に台湾への人道支援のプラットフォームとなることを要請する。
3. エスカレートする武力攻撃事態
台湾有事が九州と南西諸島に波及し反撃能力を行使する決断
  • 米国政府の抑制的な措置を「介入の意思なし」と誤解した中国は本格的な着上陸侵攻を開始。
  • 台湾有事が現実のものとなっていく中で、中国を抑制するため日米共同のFDOを検討する。
  • 中国の台湾への軍事攻撃が始まり、台湾は米国を通じ有志国に武器弾薬の供与を求め、有志国が日本に台湾支援のプラットフォームになることを要請する。
  • 中国軍と台湾軍による交戦が膠着状態となり、戦争は長期化の様相。
  • 尖閣諸島周辺海域で海警と海保が衝突し、海保巡視船が沈没。東シナ海で空自戦闘機と海自哨戒艦が被攻撃によって撃墜、沈没。中国サイバー攻撃で西日本一体が停電。
  • 中国は九州と南西諸島の米軍と自衛隊基地へのミサイル攻撃を開始。
  • 与那国島に台湾避難民が殺到、島民約400名も未避難。

第23回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2023年4月20日(木)13:00~15:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)、内山哲也(元海将補)、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、島田和久(前防衛事務次官)、住田和明(元陸将)、中村 進(元海将補)、武藤茂樹(元空将)、本松敬史(元陸将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第22回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2023年3月14日(火)13:00~15:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)※リモート、内山哲也(元海将補)※リモート、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、島田和久(前防衛事務次官)、住田和明(元陸将)、中村 進(元海将補)※リモート、武藤茂樹(元空将)、林彦宏(台湾国防安全研究院助理研究員)※リモート、本松敬史(元陸将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第21回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2023年2月10日(金)13:00~15:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)※リモート、荒木淳一(元空将)、内山哲也(元海将補)※リモート、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、ケビン・メア(元米国務省日本部長)、島田和久(前防衛事務次官)、住田和明(元陸将)、中村 進(元海将補)※リモート、又吉 進(元沖縄県知事室公室長)※リモト参加、武藤茂樹(元空将)※リモート、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第20回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2023年1月17日(火)10:00~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)、荒木淳一(元空将)、内山哲也(元海将補)、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、島田和久(前防衛事務次官)、住田和明(元陸将)、中村 進(元海将補)、又吉 進(元沖縄県知事室公室長)※リモート参加、本松敬史(元陸将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第19回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2022年12月21日(水)14:00~17:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)、荒木淳一(元空将)、内山哲也(元海将補)、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、住田和明(元陸将)※リモート参加、本松敬史(元陸将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第18回
第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2022年11月21日(月)10:00~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)、荒木淳一(元空将)、内山哲也(元海将補)、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、住田和明(元陸将)、本松敬史(元陸将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

第17回
第3回台湾政策シミュレーション実施に関する意見交換

 

【概要】
テーマ: 第3回台湾政策シミュレーション実施に向けた意見交換
開催日時:2022年10月31日(月)14:00~16:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)※リモート、荒木淳一(元空将)、有村誠一郎(元空将補)、有元隆志(産経新聞月刊正論発行人)※リモート、岩谷 要(元陸将)、内山哲也(元海将補)、大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)、岡部俊哉(元陸上幕僚長・元陸将)、木村茂樹(元財務官僚、内閣審議官)※リモート、清田安志(元陸将)、島田和久(前防衛事務次官)、住田和明(元陸将)、高田克樹(元陸将)、髙見澤將林(元軍縮会議日本政府代表部大使)、長野俊郎(JFSS常務理事)、中村 進(元海将補)、林 直人(JFSS理事・元陸将)、武藤茂樹(元空将)、本松敬史(元陸将)、山村 浩(元海上幕僚長・元海将)、渡邊剛次郎(元海将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録:橋本量則(JFSS研究員)

報告書
第2回政策シミュレーションの成果概要
「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに備えるべきか」

 

成果概要はこちら

 2022年8月に開催された、台湾有事を想定した第2回政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに備えるべきか」の成果概要を公開し、多くの人とこの成果を共有したい。
 本シミュレーションを実施するにあたっては次の2つの目的を掲げた。①台湾海峡が不安定化するシナリオに基づき、焦点を絞った政策シミュレーションによって我が国の安全保障上の課題を抽出し、政策提言に繋げること。②政策立案者、専門家及びメディアの幅広い参加を得て、シミュレーションを実施・公開することにより、参加者の一層の理解の深化と国民の意識向上を図ること。実施に際しては多くの現職政治家、官僚や自衛官OB、オブザーバーの参加を得て、また多数のメディアによる発信があり、その目的を達成することができた。
 そこで得られた教訓や課題を踏まえ、政策シミュレーションを現実の備えに繋げていくため、第3回を2023年7月15・16日に開催する予定である。

第16回
第2回シミュレーション実施成果と第3回に関するキックオフミーティング

 

【概要】
テーマ: 第2回シミュレーション実施成果について意見交換し、第3回シミュレーションの実施要領等検討の資とする。
開催日時:2022年9月5日(月)14:00~17:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):岩田清文(統裁部長)、武居智久(副統裁部長)、尾上定正(副統裁部長・シナリオ統制)、荒木淳一(空幕長役)、岩谷要(全般管理)、内山哲也(シナリオ付与)、兼原信克(安保局長役)、木村茂樹(財務事務次官役)、清田安志(メディア担当)、高田克樹(陸幕長役) 、髙見澤將林(セル長) 、中村進(法制担当)  、林直人(全般管理・オブザーバー担当)、本松敬史(政治家担当・模擬記者会見担当)、渡邊金三(台湾担当)※リモート参加、渡邊剛次郎(海幕長役)  、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録: 橋本量則(JFSS研究員)

第2回 政策シミュレーション
「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに備えるべきか」

 
【実施概要】

日程:2022年8月6日(土)、7日(日)

会場:ホテルグランドヒル市ヶ谷

参加者:日本セル
内閣総理大臣役:小野寺五典(衆議院議員)
官房長官役:木原 稔(衆議院議員)
外務大臣役(6日):松川るい(参議院議員)
外務大臣役(7日):薗浦健太郎(衆議院議員)
防衛大臣役:大塚 拓(衆議院議員)
経済産業大臣役:有村治子(参議院議員)
国土交通大臣役(6日):細野豪志(衆議院議員)
国土交通大臣役(7日):松川るい(参議院議員)
財務大臣役:山下貴司(衆議院議員)
総務大臣役:和田義明(衆議院議員)
総務事務次官役:横浜信一(NTT CISO常務執行役員)
財務事務次官役:木村茂樹(元財務官僚、内閣審議官)
経済産業事務次官役:油木清明(戦略国際問題研究所(CSIS)シニアアソシエイト)
国土交通事務次官役:武藤 浩(元国交事務次官)
国家安全保障局長役:兼原信克(元国家安全保障局次長)
統合幕僚長役:住田和明(元陸将)
陸上幕僚長役:高田克樹(元陸将)
海上幕僚長役:渡邊剛次郎(元海将)
航空幕僚長役:荒木淳一(元空将)
 
ホワイトセル
米国務長官役:長島昭久(衆議院議員)
米国防長官役(7日):細野豪志(衆議院議員)
セル長:高見澤將林(元国家安全保障局次長)
米国大統領兼安全保障担当補佐官役:ケビン・メア(元米国務省日本部長)
中国担当:村井友秀(東京国際大学特命教授)
台湾担当:渡邊金三(元陸将補)
法制担当:中村 進(元海将補)
沖縄担当:又吉 進(元沖縄県知事公室長)
メディア担当:有元隆志(月刊正論発行人)
サイバー担当:大澤 淳(中曽根平和研究所主任研究員)
 
統裁部
統裁部長:岩田清文(元陸上幕僚長)
統裁部副部長兼研究会進行・記録係長:武居智久(元海上幕僚長)
統裁部副部長兼シナリオ統制:尾上定正(元空将)
シナリオ付与・タイムキーパー:内山哲也(元海将補)
全般管理:岩谷 要(元陸将)
    :武藤茂樹(元空将)
全般管理兼オブザーバー担当:長野俊郎(JFSS常務理事)
             :長野禮子(JFSS理事・事務局長)
             :林 直人(JFSS理事)
             :西山淳一(JFSS監事)
             :藤谷昌敏(JFSS政策提言委員)
政治家担当兼模擬記者会見内閣担当:本松敬史(元陸将)
メディア担当:清田安志(元陸将)
      :岡本兼一(元空将補)
 
《シナリオの構成》
背景は2027年(習近平主席の3期目から4期目への移行、人民解放軍創設100周年、台湾総統選挙・米国大統領選挙の1年前等)を想定。
 
1.グレーゾーンからの急激な事態拡大
 中国が明確な意図(最終的な台湾の武力統一)に基づき、南シナ海、東シナ海の軍事的緊張を高め、陽動作戦として尖閣諸島に対する現状変更を行う。また中国は、台湾の独立を志向する総統候補を非難する一方、中国に宥和的な国民党を支援する三戦を展開。その後、台湾の政情不安回復を理由に台湾本島の封止を宣言、偽旗作戦によって一気に台湾への斬首作戦を決行する。こうした状況における日本政府の情勢判断、対処方針、米国との調整について検討する。
 
2.邦人輸送・国民保護・避難民対処
 中国は、米国に台湾事態への介入をためらわせ、また日本の米軍支援を躊躇させるためグレーゾーンの段階からハイブリッド戦を仕掛ける。また日本政府には、事態認定で可能となる自衛隊の行動が、中国の行動を更にエスカレートする恐れがあるとの想定を付与する。こうした状況での邦人輸送、国民保護、避難民対処におけるジレンマを付与し、国家(政府)としての対応について検討する。
 
3.中国の核による恫喝と使用
 中国は急速に戦略核兵器を増強し、中距離以下の新型弾道ミサイルと巡航ミサイルの開発・配備を終え対米優位を獲得する。その後、習近平は、台湾の独立を阻止するための武力行使を決定し、「エスカレーション抑止」(核恫喝、象徴的な核攻撃)を実行する。これに対する日米の抑止及び対処方針を検討する。また、北朝鮮が中国の軍事侵攻に呼応して、日本に対する弾道ミサイル発射、核恫喝を実施する場合の日米同盟の方針を合わせて検討する。

第15回
第2回シミュレーション準備の最終確認と調整

 

【概要】
テーマ: 第2回シミュレーション準備の最終確認と調整
開催日時:2022年7月21日(木)15:00~17:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空将)、兼原信克(元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、有村誠一郎(元空将補)、有元隆志(産経新聞月刊正論発行人)、岩谷 要(元陸将)、内山哲也(元海将補)、岡本兼一(元空将補)※リモート参加、清田安志(元陸将)、長野俊郎(JFSS常務理事)、西山淳一(JFSS監事)、林 直人(JFSS理事・元陸将)、藤谷昌敏(JFSS政策提言員)、又吉 進(元沖縄県知事室公室長)、武藤茂樹(元空将)、本松敬史(元陸将)、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録: 橋本量則(JFSS研究員)

第14回
第2回政策シミュレーションに向けた準備

 

【概要】
テーマ: 第2回政策シミュレーションに向けた準備
開催日時:2022年6月24日(金)13:30~16:30
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、尾上定正(元空自補給本部長・元空将)※リモート参加、兼原信克(元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授)、有元隆志(産経新聞正論発行人)、岩谷 要(元陸将)、内山哲也(元海将補)、岡本兼一(元空将補)※リモート参加、清田安志(元統合幕僚学校長・元陸将)、林 直人(JFSS理事・元陸将)、本松敬史(元西部方面総監・元陸将)、武藤茂樹(元航空総隊司令官・元空将)※リモート参加、長野禮子(JFSS理事兼事務局長)
記録: 橋本量則(JFSS研究員)

第13回
第2回政策シミュレーションに向けた準備/シナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第2回政策シミュレーションに向けた準備/シナリオの検討
開催日時:2022年5月18日(水)14:00~17:00
場所・開催方式: JFSS会議室
出席者(五十音順):有元隆志(産経新聞「正論」調査室長)、岩谷要(元教育訓練研究本部長・元陸将)、岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)、尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)、岡本兼一(元空将補)、兼原信克(同志社大学特別客員教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、清田安志(元統合幕僚学校長・元陸将)、武居智久(元海上幕僚長・元海将)、武藤茂樹(元航空総隊司令官・元空将)、村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)、本松敬史(元西部方面総監・元陸将)
モデレーター:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
記録: 橋本量則(JFSS研究員)

第12回
第2回政策シミュレーションのシナリオの検討

 

【概要】
テーマ: 第2回政策シミュレーションのシナリオの検討
開催日時:2022年3月10日(木)14:00~16:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学特別客員教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
記録: 橋本量則(JFSS研究員)

第11回
第2回政策シミュレーションのシナリオについて

 

【概要】
テーマ: 第2回政策シミュレーションのシナリオについて
開催日時:2022年1月13日(木)12:00~13:45
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学特別客員教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター: 岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
記録:橋本量則(JFSS研究員)矢嶋崇浩(JFSS事務局次長)

報告書
第1回政策シミュレーションの概要
「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」

 

成果報告書

 2021年8月に開催された、台湾有事を想定した政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」の概要を、この度インターネット上に公開し、多くの人とこの成果を共有したい。「台湾有事は日本有事」という考えの下に、多くの実務経験者・有識者がこれに参加し、日本が直面するであろう課題を浮き彫りにすることができた。この成果を踏まえ、2022年11月に第2回シミュレーションを開催する予定である。

第10回
台湾有事研究会の現状確認と今後の進め方

 
【概要】
テーマ:台湾有事研究会の現状確認と今後の進め方
開催日時:2021年11月29日(月)14:00~15:30
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学特別客員教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター:橋本量則(JFSS研究員)
記録:矢嶋崇浩(JFSS事務局次長)

第9回
第2回政策シミュレーションに関するアップデート

 
【概要】
テーマ:第2回政策シミュレーションに関するアップデート
開催日時:2021年10月28日(木)10:00~11:30
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    吉田正紀(米国双日副社長、JFSS米国支部長、元海将)*
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:佐藤裕視、矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)
*米国よりオンライン参加

第8回
第2回政策シミュレーションに関するキックオフミーティング

 
【概要】
テーマ:第2回政策シミュレーションに関するキックオフミーティング
開催日時:2021年9月29日(水)10:00~11:30
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
    吉田正紀(米国双日副社長、JFSS米国支部長、元海将)*
    長野禮子(JFSS事務局長)
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:佐藤裕視、矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)
*米国よりオンライン参加

政策シミュレーション
「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」

 去る8月、 JFSS 主催で政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」を実施した。当シミュレーションは台湾有事研究会コアメンバーが中心となって企画、シナリオ等の準備を進め、 JFSS 事務局が運営に当たった。その際、台湾有事研究会コアメンバーを初め、多くの参加者(プレイヤー)やオブザーバーの皆様にご賛同・ご協力を賜った。改めて御礼申し上げる次第である。
 
 
【実施概要】

日程:2021年8月14日(土)、 15日(日)

会場:ホテルグランドヒル市ヶ谷「ペガサス」「オリオン」

参加者:(50音順)国会議員3名、荒木純一(元航空教育集団司令官、元空将)、石井正文(前駐インドネシア大使)、岩田清文(元陸幕長、元陸将)、内山哲也(元海上訓練指導隊群司令、元海将補)、尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)、大澤淳(中曽根平和研究所主任研究員)、片瀬裕文(元経済産業審議官)、兼原信克(元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、住田和明(元陸上総隊司令官、元陸将)、高見澤將林(元軍縮会議日本政府代表部大使、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、武居智久(元海幕長、元海将)、村井友秀(東京国際大学特命教授、防衛大学校名誉教授)、本松敬史(元西部方面総監、元陸将)、渡邊金三(前日本台湾交流協会台北事務所安全保障担当主任、元陸将補)、渡邊剛次郎(元横須賀地方総監、元海将)

 今回の政策シミュレーションで得られた政策提言 *1*2 は以下の通り。
*1 本政策提言を引用する場合は事前に(一社)日本戦略研究フォーラムの了承を得ること。
*2 また出典を明記すること。(記載例:「 2021.814-15 (一社)日本戦略研究フォーラム主催政策シミュレーションの研究成果に基づく」)
 
 
《政策シミュレーションから得られた政策提言》
 
1.台湾海峡危機に関する政官民の知識ベースを高める継続的な努力の必要性
 台湾の実情ばかりでなく、台湾海峡危機が我が国に与える影響について、政官民の知識ベースを高めていく施策が必要である。高い知識ベースは対中抑止力となり、台湾海峡危機における政治決定への国民の支持につながる。
 
2.サイバー攻撃への対応能力の向上
  1. サイバー能力は我が国にとって最大の弱点である。改善のために、優先的な予算措置が必要である。
  2. 在日米軍基地を標的にしたサイバー攻撃(インフラ、通信)への防衛について、日米の役割分担が不明確であり、共同サイバー防衛要領を作成する必要がある。
  3. サイバー攻撃によって民間重要インフラにも一部被害が出ているにもかかわらず、実効的な対応がなされなかった。自然災害、原子力事故、感染症対策と同じような、専門家会議の立ち上げのメカニズムが必要である。
  4. 米国にとって、在日米軍基地の機能維持、在日米軍人及び家族の安全が最優先事項であることを考慮し、サイバー対処については日米同盟調整メカニズム( ACM )の枠組みを「超える」情報共有と行動調整が必要である。
  5. フェイクニュースによる世論攪乱に対して、 SNS 上の偽情報拡散に関するファクトチェック機関の設置やプラットフォーマー規制が必要である。
  6. 日本の能動的サイバー防衛( Active Cyber Defense: ACD )について、我が国にサイバー攻撃者を特定するアトリビューション能力、サイバー反撃を行う能力がなく、法的枠組みは未整備である。事案発生時に ACD が行えるように、法的検討、体制整備、能力構築が必要である。
  7. 台湾の有する強力なサイバー能力を活用する方法を検討すべきである。
  8. サイバー攻撃に対抗し、均衡的な対応ができる能力、制度等を構築する必要がある。
  9. 平時のサイバー・インテリジェンス、サイバー攻撃準備のための能力構築と法制度の整備が必要である。
  10. 特に、(警察権行使を越境して行うことの承認など)積極防衛での活用を考慮すべきである。
  11. 自衛隊の役割を拡大し、政府全体及び重要インフラのサイバー防護を担任させる必要がある。
 
3.新たな強伝染性のウイルス感染症への備え
  1. 日本と人的交流の多い国や地域に強伝染性のウイルス感染症が発生する場合に備え、「強伝染性対処マニュアル」の作成、要すれば特措法による対処を検討しておく必要がある。
  2. 我が国政府として WHO 機能強化(改革)への提言を行うなど、多国間の調整枠組みを平素から構築しておく必要がある。
 
4.適時の事態認定
  1. 事態認定の時機と内容は米側と一致させることが重要であり、調整による迅速な決定と連携が必要である。
  2. 中台有事が尖閣諸島に波及すれば、中国の狙いどおり、能力的に日米の手を縛る事態となるため、中台有事に対応して尖閣諸島防衛の構えを固める方針と計画を定めておく必要がある。
 
5.海洋の自由が阻害される事態への対応
  1. 我が国が行う航行の自由作戦( FONOPS )に関する法的権限の整理が必要である。(共同訓練、情報収集等に関しては問題ないものの総合的に判断する必要)
  2. FONOPS の実施によって以後のエスカレーション(中国国内での経済活動へのハラスメント)等が想定されるため、実施に際しては、国民への丁寧な説明が必要である。
  3.  事態緊迫時に初めて海自艦艇に台湾海峡を通過させるのではなく、平素の段階から行っておくことが、事態の沈静化に効果的である。
 
6.台湾海峡危機における代替海上輸送路の確保
  1. 台湾海峡危機の場合にバシー海峡、台湾海峡が通行不能となる可能性があることから、代替の海上交通路( SLOC )についてあらかじめ腹案を持つとともに、インドネシア、 QUAD 、 G7 など SLOC への関係国や価値観を同じくする国々と調整する枠組みが必要である。
  2. 東南アジアにおける SLOC の安全確保は、 QUAD などの枠組みによるのではなく、インドネシアなど関係国と個別に協力していくことを含め、柔軟に実施していく方策をとるべきである。
 
7.台湾との連絡手段、情報共有手段
  1. 日本と台湾当局との間に、有事にも機能し、信頼できる情報網(日本台湾交流協会の最大活用を含む)と通信手段を平素から確保しておく必要がある。
  2. 日米と台湾の連絡調整枠組みについては、秘匿可能な通信・データ共有のための手段が不可欠である。
  3. 連絡調整の手段を欠く状態で非常時を迎えた場合には、まず国家安全保障局の間で連絡調整を行い、徐々に拡大していくことも可能であろう。
 
8.台湾の邦人保護・救出、米国等の非戦闘員の避難活動の支援
  1. 台湾における邦人(日本関係 5 万人)の状況把握を行う手段を確立しておく必要がある。
  2. 台湾との人的往来に関する出入国記録の活用方法を検討しておくことも有用である。
  3. 台湾からの邦人輸送/救出活動( TJNO/RJNO )は、国際緊急援助隊を一例にするなど、平素から日台で協力できる枠組を構築しておく必要がある。
  4. 米国人等の NEO (非戦闘員退避作戦)支援(特定公共施設の使用など)を、平素から調整しておく必要がある。
  5. 台湾が物理的に封鎖された場合の「封鎖突破による人道支援」への我が国の参加は必須であり、所要の能力と米国や友好国と連携できる体制を平時から構築しておく必要がある。
 
9.先島諸島の国民保護(広域の国民保護)
  1. 先島諸島など、住民広域避難を前提とした訓練を実施するとともに、自治体等が担うべき役割と保有すべき機能の検討を行う。
  2. 他方で、政府には住民広域避難に関する知見が不足していることも事実であり、防災訓練や自衛隊統合演習等を活用し、まず政府を挙げて「広域避難モデル」を作り、次に先島諸島等に適用(応用)していく段取りも考慮すべきである。
  3. 台湾海峡危機の波及など、我が国が攻撃を受けない段階(グレーゾーン事態)における国民保護の在り方を検討する。
  4. 台湾海峡危機を念頭に、先島諸島の国民保護計画の策定が必要である。
  5. 事態が緊迫化する前に、自治体の責任で災害対策法を根拠に島民避難を始めておくことを考慮すべきである。
  6. 先島が中国の臨時海上警戒区(戦闘区域)に入った場合を想定し、次を検討しておく必要がある。
   ✓  食料、エネルギー、医薬品の搬入
   ✓  病人の緊急搬送
   ✓ 島民の一時的な島外への避難
 
10.台湾海峡危機を想定した経済安全保障
  1. 台湾海峡に事態が生起した場合、半導体生産など台湾経済が制約を受ける可能性を踏まえ、対策(経済安全保障)について検討する必要がある。
  2. 台湾海峡危機における沖縄県の戦略的な重要性に鑑み、平素からの政府と沖縄県の良好な関係を維持する。
  3. 中国に台湾への侵攻を諦めさせることができる「経済的な手段」を用いた「攻勢(オフェンス)」のため、中国の弱点の洗い出しと行動方針を考えておく必要がある。また、有志国で常続的に協議する枠組みを設定する。
  4. 日本の経済界には中国との関係を平和的に維持することに対する強い要望がある。しかし、日本の平和と安全が脅かされた場合には、経済界を含めたコンセンサスが働き、政府が束縛なく意思決定できることが抑止力になる。まだ、経済界や国民の理解を得るための議論が不足しているので、政策シミュレーションを継続してコンセンサスを構築していく努力が必要である。
  5. 最悪の場合は中国在留邦人約 125,000 名の多くを救えない可能性が高いことも知らしめ、人質外交に発展させない観点での経済安全保障政策を浸透させておくことも検討すべきである。
 
11.台湾海峡有事における離島防衛
  1. 尖閣諸島や先島諸島の被攻撃事態や尖閣諸島等の被占拠事態に至らせない方策と、そのための準備が不可欠であり、総合的な視点から政策課題を抽出し、解決しておく必要がある。
  2. 離島など、我が国の領土を占拠された場合の奪回方法をあらかじめ検討しておくべきである。
  3. 抑止態勢と準備態勢を強化するため、陸自機動師団・旅団の南西諸島への展開を可能な限り前倒しして行う必要がある。極めて早期に一般命令等での移動を政治決定で行うことを考慮する必要がある。
  4. 南西諸島における自衛隊の燃料と弾薬の備蓄はわずかであり、基地の抗堪性は弱い。継戦能力の向上に早急に取り組む必要がある。
  5. グレーゾーン(武力攻撃予測事態等)における離島保全について、海上保安庁の任務と役割を検討する必要がある。
  6. 抑止態勢の強化を含め、自衛隊へのスタンドオフ・ミサイルの早期の導入が必要である。
  7. 占領された島嶼を奪回するにあたり、相手国部隊の排除(奪回後の捕虜の対応)について検討しておく必要がある。
  8. 我が国にとって台湾海峡危機は 3 正面対処(尖閣諸島、与那国・石垣・宮古島、米軍支援)となることから、尖閣諸島が「陽動作戦」に利用される可能性があることから、自衛隊による抑止態勢(先島・尖閣への部隊展開、島民避難、事態認定)を早期に構築することを決定する必要がある。
  9. 適時適切な抑止態勢を構築するために、情報共有(国会、国民)のための戦略的コミュニケーションを実施する。
  10. 台湾海峡危機において、尖閣諸島や先島防衛は我が国が自主的に実施することを前提に、対中政策を再構築し、日米同盟の強化(役割・任務・能力( RMC )分担など)を図っていく必要がある。
 
12.台湾海峡有事における日米共同、多国間協力
  1.  バイデン政権において、米国は官民を挙げて台湾海峡危機に真剣に取り組んでいるが、事態生起時に米国が我が国の期待どおりに動いてくれるとは限らない。日本政府は早急に台湾海峡危機と島嶼防衛を主体的に行う方針を確立しておく必要がある。
  2. 中国政府の「台湾は内政上の問題」とする主張への政府としての対外説明ナラティブと、台湾に関与する場合の国内向けの説明ナラティブを整理しておく必要がある。
  3. 重要影響事態等以下では特定公共施設の利用は不可であり、予測事態認定からでも課題があるが、平時における米国等の NEO を効率的効果的に実施するためには、台湾の近傍にある先島諸島、南西諸島の特定公共施設の利用は不可避であり、制度的な検討を行っておく必要がある。
  4. 台湾海峡有事を対象とした「日米防衛協力指針(ガイドライン)」が必要である。台湾海峡有事における日米共同は朝鮮半島有事とは違った困難が予想されるため、シナリオ・ベースで、平時からの協力を検討しておく必要がある。特に、米海兵隊が戦略と兵力組成の大転換を進めているように、米国には有事に至る前に兵力を前方に分散展開させ抑止力とする構想があることを考えればで、ガイドラインの見直しは是非とも必要である。
  5. 台湾海峡有事において、日米と共同する(支援を得る)国々との間に、地位協定( SOFA )的なものを平時から作っておく必要がある。
  6. 台湾海峡危機における米核抑止の価値(戦術核兵器の使用等)について、日米で検討する必要がある。(戦術)核抑止力使用の国際的コンセンサスは必要である。
  7. 台湾海峡危機が発生した場合の米国の「核の傘」について保証をとる。
  8. 上記について、拡大抑止について、台湾有事のシナリオ・ベースの検討が必要である。かつ米国・台湾との協議や首脳レベルの調整が必要である。
  9. 台湾海峡に関する戦略的コミュニケーション(ファクトの情報発信)を、国会議員や国民に対して、ソーシャルメディアを活用して行っていくことが重要である。また、政府内の共有情報のエッセンスを適時発信していく態勢の構築が必要である。
  10. 台湾海峡危機における、 QUAD のインドの価値について、インドによる中国への戦略的な牽制を含め、期待する役割を検討し政策課題とする必要がある。
  11. 台湾の防衛作戦を実施する米軍のコアリション(連合)司令部へ、我が国から要員派遣を検討しておく。
  12. 米軍を中心としたコアリション司令部を我が国に設置するなど、米国の具体的な作戦構想・作戦計画に、我が国として平素からコミットする必要がある。
  13. その場合、米軍による在日米軍基地等への防衛装備の搬入のスムーズな許諾など、米軍の事前配備に関してリアリティのある日米協力体制の構築が重要である。
  14. 米軍による中国本土への攻撃における嘉手納、三沢基地等の使用について、事前協議に肯定的に対応するとともに、その場合は、在日米軍施設の防護に協力していく必要がある。
  15. 台湾海峡危機・紛争を終結させる場合、和平協議に関する我が国の立場を固め、コアリションによる首脳会談で主導的な役割を担う政治的なリーダーシップが必要である。
13.総括
  1. 事態認定等において逡巡していた背景には、中国の報復等に対する考慮が大きい。結局は日本国家としての中国への向き合い方が定まっておらず、事態・事象によって判断が揺れ動いていた。中国ファクター・依存度を少しでも軽減していくための、国としての方針確立が必要であろう。
  2. ほとんど全ての状況において、米国頼みの構造が露呈していた。やむを得ないものの、日本自らの反撃力の保持や、独自での邦人救出、あるいは南西諸島防衛力の強化など、自分の国、邦人の生命は自らが守る体制の構築が重要である。
以上

第7回(特別編)
第1回政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」

 

【実施概要】
テーマ:第1回政策シミュレーション
     「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに抑止し対処すべきか」
開催日時: 2021 年 8 月 14 日(土)、 15 日(日)
場所・開催方式: ホテルグランドヒル市ヶ谷「ペガサス」「オリオン」
参加者:(50音順):国会議員3名、荒木純一(元航空教育集団司令官、元空将)、石井正文(前駐インドネシア大使)、岩田清文(元陸幕長、元陸将)、内山哲也(元海上訓練指導隊群司令、元海将補)、尾上定正(元航空自衛隊補給本部長、元空将)、大澤淳(中曽根平和研究所主任研究員)、片瀬裕文(元経済産業審議官)、兼原信克(元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、住田和明(元陸上総隊司令官、元陸将)、高見澤將林(元軍縮会議日本政府代表部大使、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、武居智久(元海幕長、元海将)、村井友秀(東京国際大学特命教授、防衛大学校名誉教授)、本松敬史(元西部方面総監、元陸将)、渡邊金三(前日本台湾交流協会台北事務所安全保障担当主任、元陸将補)、渡邊剛次郎(元横須賀地方総監、元海将)
事務局:屋山太郎(JFSS代表理事・会長)長野禮子(同理事・事務局長)、佐藤裕視(JFSS研究員)、矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)、他

第6回
政策シミュレーションシナリオデザイン検討会(2回目)

 
【概要】
テーマ:政策シミュレーションシナリオデザイン検討会(2回目)
開催日時:2021年7月14日(水)13:00~16:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:内山哲也(元海上訓練指導隊群司令、元海将補)
    大澤淳(中曽根平和研究所主任研究員)  他2名
モデレーター:武居智久(元海上幕僚長、元海将)
記録:佐藤裕視(JFSS研究員)、矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)

第5回
政策シミュレーション(TTX)説明会

 
【概要】
テーマ:政策シミュレーション(TTX)説明会
開催日時:2021年6月28日(月)10:00~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者: (50音順):荒木淳一(元航空教育集団司令官、元空将)、石井正文(学習院大学特別客員教授、前駐インドネシア駐箚特命全権大使)、岩田清文(元陸幕長、元陸将)、内山哲也(元海上訓練指導隊群司令、元海将補)、尾上定正(ハーバード大学アジアセンター上席研究員、元空自補給本部長、元空将)、兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)、住田和明(元陸上総隊司令官、元陸将)、高見澤將林(東京大学公共政策大学院客員教授、元内閣官房副長官補)、武居智久(元海幕長、元海将)、村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)、本松敬史(元西方総監、元陸将)、渡邊金三(前日本台湾交流協会台北事務所、元陸将補)、渡邊剛次郎(元横須賀地方総監、元海将)
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)

第4回
政策シミュレーションシナリオ検討会(1回目)

 
【概要】
テーマ:政策シミュレーションシナリオ検討会(1回目)
開催日時:2021年6月23日(水)10:30~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:内山哲也(元海上訓練指導隊群司令、元海将補)
    大澤淳(中曽根平和研究所主任研究員)  他2名
モデレーター:武居智久(元海上幕僚長、元海将)
記録:佐藤裕視(JFSS研究員)、矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)

第3回
政策シミュレーションに関する説明・アップデート、重要事項連絡

 
【概要】
テーマ:政策シミュレーションに関する説明・アップデート、重要事項連絡
開催日時:2021年6月18日(月)10:00~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(ハーバード大学アジアセンター上席研究員、元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)

第2回
台湾政策研究会(仮)の内容・進め方・成果物に関する意見交換

 
【概要】
テーマ:台湾政策研究会(仮)の内容・進め方・成果物に関する意見交換
開催日時:2021年5月28日(金)10:30~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(ハーバード大学アジアセンター上席研究員、元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)

第1回
台湾政策研究会(仮)の内容・進め方・成果物に関する意見交換

 
【概要】
テーマ:台湾政策研究会(仮)の内容・進め方・成果物に関する意見交換
開催日時:2021年4月28日(月)10:30~12:00
場所・開催方式: JFSS会議室(対面オンライン混合)
出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
    尾上定正(ハーバード大学アジアセンター上席研究員、元航空自衛隊補給本部長、元空将)
    兼原信克(同志社大学教授、元内閣官房副長官補兼国家安全保障局次長)
    武居智久(元海上幕僚長、元海将)
    村井友秀(東京国際大学国際戦略研究所特命教授、防衛大学校名誉教授)
モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
記録:矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)
 
【主な議事】
 台湾政策研究会(仮)の内容・進め方・成果物に関する意見交換

第0回(キックオフミーティング)
研究会立ち上げに関する意見交換

 
【概要】
 開催日時:2021年3月15日(月)
     《前半》10:30~11:15、《後半》11:30~11:45 ※全て日本時間
 場所・開催方式:一般社団法人日本戦略研究フォーラム(JFSS)会議室およびオンライン
 出席者:岩田清文(元陸上幕僚長、元陸将)
     尾上定正(ハーバード大学アジアセンター上席研究員、元航空自衛隊補給本部長、元空将)
     武居智久(元海上幕僚長、元海将)
     村井友秀(防衛大学校名誉教授、東京国際大学国際戦略研究所特命教授)
 モデレーター:佐藤裕視(JFSS研究員)
 記録:矢嶋崇浩(JFSS研究補佐)
 
【主な議事】
 ①立上げ趣旨説明、②参加者の自己紹介、③成果物の位置づけ・メンバーについて意見交換、④今後の研究会の進め方について意見交換、⑤その他。