自粛生活のお供、テレビがつまらない

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政策提言委員・元参議院議員 筆坂秀世

 相変わらず自粛生活が続いている。この生活では、自ずとテレビを見て過ごす時間が多くなる。だがそのテレビ放送も見たいと思うものがほとんど無くなってしまった。生放送は、ニュースや報道番組ぐらいしかない。番組欄を見ても再放送と再々放送で埋まっている。
 新型コロナウイルスのせいで、ドラマ撮影が出来ないため、新作ドラマがストップしているからだ。放送するものがないので、何年も前のドラマを再々放送している。
 楽しみにしてきたNHKの朝のテレビ小説「エール」や大河ドラマ「麒麟がくる」も今月中旬には、撮り置きがなくなるらしい。「エール」は、もう一度、最初から放送するらしい。
 スポーツ番組も同じだ。野球、サッカー、ラグビー、ゴルフなどスポーツも全滅である。大相撲は3月に無観客で春場所を行なった。批判する人もいたようだが、私は毎日が楽しみだったし、面白かった。
 この現状は、テレビ局の責任ではない。すべて新型コロナウイルスのせいである。
 スポーツで唯一、毎週テレビの生放送で見ることが出来るのは、今のところ競馬だけである。中央競馬だけではなく、地方競馬もやっているそうだ。私は競馬の素人である。馬券を買ったこともないし、競馬場に行ったこともない。だが2ヵ月程前から、土日の競馬中継が楽しみになっている。競走用に品種改良によって作られたサラブレッドの馬体は、実に美しい。これまでは横目で見ていたぐらいだったが、真剣に見ていると競馬というのは格闘技のような激しさがあることを知った。
 野球、サッカー、ゴルフも始まるらしい。スポーツ中継のないテレビは魅力半減である。
 そのテレビを見ていて、最近、気になることがある。胡散臭いCMが増えたということだ。薬品、サプリメント、栄養ドリンク、不動産投資等々、以前ならテレビで扱わなかったような商品や投資話のCMが実に多い。見ていて不愉快になる。
 例えばサプリメントや栄養ドリンク、養毛剤などのCMの共通した特徴は、「個人の感想であり、効果、効能を表すものではありません」という言い訳が必ず付けられている。散々「これはいい!」「すごい!」などと言わせておいて、それはないだろう。
 取って付けたように最後に注意書きらしきものが出てくることも共通している。多いのは読めないような小さい字で数十行にわたっている場合もある。流される時間は1秒ぐらいだ。誰も読めない。
 私は数ヵ月前、右膝を痛めて、歩くのが辛くなった。仕方がなく整形外科に通院し、ヒアルロン酸を直接膝に注射器で注入してもらった。4回ですっかり痛みは消え、今は歩くのにまったく支障が無い。医師の説明では、この成分は、薬を飲んでも増えないそうだ。だが直ちに解決しそうな薬品やサプリのCMがどれほど多いことか。
 全てのサプリが駄目というわけではないだろうが読めないような注意書きをしているような商品や投資話には、ご注意を。