「米新政権は北核に厳しい対応を」

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政策提言委員・拓殖大学主任研究員・元韓国国防省分析官 高 永喆

 米国前トランプ大統領が民主党の不正選挙疑惑にも関わらず政権委譲したのは、連邦議会が選挙人集計でバイデン氏の勝利を認めたためである。しかし、その裏には中国共産党による米国分裂工作を見抜いて、それを回避する意図があるのではないかと考えられる。
 今回バイデン新政権の外交、安保、国防、情報、財務など側近要職は、全てユダヤ系(10人以上)が占めた。米国を動かす影の実権勢力はユダヤ系である事が分かる。特に、対中強硬派人事が目立っている。
 19日に行われたバイデン政権の閣僚候補の上院聴聞会では「中国は米国が直面する最も重要な競争相手」などと口を揃えて対中強硬姿勢を表明した。とりわけ、ブリンケン国務長官候補は「中国の台頭は米国にとって最大の挑戦だ」としつつ、「中国との競争に勝つ事ができる」と述べた。
 米国は共和党であれ、民主党であれ、米国覇権と国益を損なう敵対国を絶対に許さない伝統を持つ国柄である。従って、中国は元より米国を「主敵」と名指した金正恩体制の北朝鮮核開発に対しても厳しく対応すると考えられる。歴史を辿れば、クリントン大統領は1994年、北核危機の時、寧辺の北核施設への空爆寸前まで行ったが、金泳三大統領の反対で回避された。1950年6月、北朝鮮の南侵に対し即座に参戦を決定したトルーマン大統領も民主党であり、キューバミサイル危機を解決したケネディ大統領も民主党だった。民主党も共産主義と激しく戦った自由民主主義の先駆けだった事が分かる。
 トランプ前大統領は金正恩氏と融和路線を辿りながら北核を一時的に凍結したのが事実である。しかし、バイデン氏は大統領選で正恩氏を「ならず者」「独裁者」と名指した。
 オバマ元大統領はビンラデン斬首作戦を実行し、韓国に弾道ミサイル防衛システム「THAAD」を配備して中国に銃口を当てた。南シナ海の「航行の自由」作戦もオバマ政権が開始した。バイデン新政権がトランプ前政権とは違った手法で厳しく「大国間競争」に挑みながら対北非核化を実行する事を期待したい。
(本稿は、1月25日付『世界日報』に掲載したコラムを部分的に修正したものです)