最近、北朝鮮はミサイルを連射する異例の挑発を繰り返している。9月だけで4回ミサイルを発射し、今年に入っては7回にのぼる。特に9月28日、日本海に発射したミサイルは新型の極超音速ミサイル「火星8型」である。極超音速ミサイルは核弾頭まで搭載可能な高精度のミサイルであり、既存の防衛システムでは迎撃が難しいため、地域の安保環境を変えるゲームチェンジャーとなる可能性が高い。
1980年代に8年間続いたイラン・イラク戦争中に、イランは北朝鮮のスカッドミサイル100基を輸入し、88年にはイラクの首都バグダッドに77発を発射した。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の報告書によると、国際武器見本市で北朝鮮製スカットCミサイルはベストセラー兵器になっている。1987~2009年の22年間、世界の弾道ミサイル輸出は合計1200基である。そのうち40%以上の510基が北朝鮮製であり、輸出規模1位を記録した。ロシア製は400基で2位、中国製が270基で3位だった。
国際兵器市場で北朝鮮製のミサイルを輸入した国はイラン、エジプト、シリア、リビア、イエメン、UAE、パキスタンである。
特に、パキスタンの弾道ミサイル「ガウリ」は北朝鮮製のノドンミサイルをコピーしたものと知られている。
北朝鮮は貧しい片田舎国というイメージがあるが、先端技術分野である「核開発」と「弾道ミサイル技術」及び「サイバー戦」は先進国並みにハイレベルである。北朝鮮の当面する重要課題は原子力推進潜水艦を戦力化して北極星3号潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3号」を搭載することと、ICBM(大陸間弾道ミサイル)核弾頭の小型化を完了することである。
19年11月、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、北朝鮮のミサイル基地を13ヵ所に特定した上で、「ノドン・スカッド短距離ミサイルに搭載できる核弾頭の小型化技術の開発を継続している」と明らかにした。ノドン•スカッドミサイルが狙うのは韓国と日本(在日米軍)の基地である。核を持っていない日本と韓国の生存戦略が問われる中、日米同盟と米韓同盟に基づく日米韓の安保協力態勢の強化が一層求められる。
(2021年10月18日付『世界日報』より転載)