屋山太郎さんが逝去された。明朗な声を大きくかけてくれた屋山さんのあの面影を偲んで、哀切きわまりない。私は少々の酒飲みだが、屋山さんは酒を嗜まない。それにもかかわらず2人で酔っ払ったように、堕落した保守政治家や左翼勢力への讒謗を繰り返した、赤坂あたりの料理屋での一夜のことが思い出される。
屋山さんの真骨頂は「頑固」である。「一徹」といってもいい。「突破力」でもある。第二次臨時行政調査会(土光臨調)に最年少の委員として招かれたのも、屋山さんの突破力が期待されてのことにちがいない。土光臨調を成功に導いた要因のひとつには、屋山さんのあの突破力があったのではないか。世論を味方につける屋山さんの一本気の筆法があったればこそだと思う。
屋山さんはどんな問題を論じてもつねに持論を明快に説いて倦むことがなかった。有名人になったからといって威張るわけでもないし、自分を飾ることもなかった。屋山さんの周りにはいつも笑顔の人々が集まっていたように思う。
屋山さん、もう随分の仕事を積まれ、周囲には沢山の人々が育っています。少しゆっくりと休まれたらいかがでしょうか。哀悼