先月28日、米朝会談は予測した通り決裂された。
北核交渉の先例を見れば、90年代初から今日まで[挑発→緊張→対話再開→対話決裂]の悪循環の繰り返しであり、今回は[対話決裂]過程である事がわかる。
最近では、北朝鮮が再び衛星発射場を整備しており、崔善姫、北朝鮮外交部次官は”米国に譲歩出来ない”と発言している。
ちなみに、米国は対話と制裁を継続する長期布石スタンスを維持しているのがわかる。
非核化の5段階は、[凍結→申告→査察→検証→核無力化]だが、今の所、核凍結さえきちんと整えてない状態だ。
さて、米中貿易戦争で致命的な打撃を浴びている、中国は北核の非核化交渉を利用して米国の足を引っ張っている様だ。
しかし、米国は中国のずるい本音を見抜いている。
従って、第2次米朝会談が決裂されたとは言え、対話再開の余地は残っている。
米国は北朝鮮を中国から切り離して親米国家に育てるのを目指している。
だが、中国は北朝鮮を手放さないと言う都合を北朝鮮は見抜きながら米中に二股路線を取っている様だ。
結局、北朝鮮は時間稼ぎを通して政治的な利益を掴むチャンスと利害打算を狙っているのが垣間見られる。
しかし、北朝鮮の非核化問題は米国だけではなく、国連と国際社会が一丸となって対北制裁と圧力を強めている。国際化時代を迎えた今日、北朝鮮は厳しい国際世論を避けられないと言う厳しい現実を覚えるべきだ。
北核は長期独裁政権を支えてくれる心強い利器であるものの、むしろ、金正恩政権を崩壊させる時限爆弾みたいな凶器である事がわかる。
トランプ大統領は制裁を継続して北朝鮮特権層が厳しい経済難に耐えられず、金正恩政権に背を向いて自ら体制を崩壊させるレジムチェンジを狙っていると考える。さらに、トランプ大統領は次の大統領選挙で勝利する為に、対北外科手術攻撃に踏み切る可能性も否定出来ない。ブシュ-大統領親子が湾岸戦争とイラク攻撃に踏み切った時、支持率が90%までV字回復した前例があるからだ。金正恩は核を手放さないまま、時間が経てば経てるほど、政治生命が危なくなると言うジレンマに直面している。