第I部では中国の軍事戦略に対する全体アプローチとして、中国の戦略思想の進化における幅広い動きを解明しています。第II部では中国の通常戦、及び核戦争の戦略として、空軍、海軍、及びロケット軍の通常戦部隊の戦略思想の最近の変更について述べています。第III部では中国の情報戦のための戦略として、電磁戦、サイバー戦、宇宙戦に対する中国の戦略的アプローチの検証に基づき情報戦について述べています。最後に、第IV部では中国の戦争以外の戦略として、抑止、戦争以外の軍事作戦(MOOTW)、及び軍民融合の平時の戦略的アプローチについて述べています。
本書は、このような中国の戦略思想における最近の傾向を総合的に提供することよって日本を含む西側の分析者や政策立案者が東シナ海、南シナ海等における中国の活動に関する中国指導層の意図を見積もり、中国の行動に最善の対応をするための枠組みの構築に資するものです。