国鉄民営化の実現、東海道新幹線システムの完成、更に超電導リニアへ!
そして国家観を持った経営者。葛西敬之からの最後のメッセージ
大義なき経営人よ、再び国を滅ぼすなかれ!
日本よ、自由世界のリーダーとなれ!
※日本の周辺は危険な核保有国家(中国・ロシア・北朝鮮)ばかり。自国の安全保障のためには、「専守防衛」ではなく「究極的な抑止力」をアメリカと協力して持つ必要がある。
※新幹線システムをはじめ中国への安易な輸出や協力を行なうことがいかに危険なことかを、戦前の歴史から学ぶべきだ。十四億の市場という幻想に惑わされることなく冷静になれ!
※日米の政治家や学者の多くは中国共産党を甘く見ていた。「中国幻想」から脱却し、自由世界は新たな対中戦略を構築し対抗すべきだ。
安倍晋三「葛西さんは、卓越した経営者であると同時に、『国士』でもありました」(弔辞より)
櫻井よしこ 「葛西さんは、長期的な視点、かつ大きなスケールで将来を見据えていました」
櫻井よしこさんの「はじめに」より。
この五月二十五日に亡くなられた葛西敬之さんを偲んで、安倍晋三元首相と葛西さんのことを語り合ったのが、六月初めのことでした。その対談は本書の序章(「正論を語り続けた国士・葛西敬之」)におさめられています。
そして、急遽、雑誌『WiLL』などに掲載された葛西さんの論文や対談をまとめて一冊の本を編もうということで、この本がつくられることになりました。私との対談も何本か収録され、本書の末尾には安倍さんが、芝増上寺で営まれた葛西さんの葬儀(六月十五日)で述べられた弔辞を収録させていただくことになりました。
そんな風に準備が進んでいたとき、信じられない惨事が起こりました。七月八日、奈良で遊説中の安倍さんが暗殺されたのです。そして、安倍さんが、葛西さんを見送った同じ芝増上寺で七月十二日に、安倍さんの葬儀が営まれることになりました。
その安倍さんを経済人として支えたのが葛西さんでした。靖國神社参拝問題や安保法制などで、安倍さんがマスコミや野党からの批判を全面に受けているときに、全くぶれずに支えました。「安倍さんは歴史観、国家観が素晴らしい。安倍さんがいる限り、日本は方向性を誤らない」と葛西さんは安倍さんに全幅の信頼を置いていました。
でも、なんということでしょう。その葛西さんが亡くなり、そしていま、葛西さんが「安倍さんがいる限り、日本は方向性を誤らない」と太鼓判を押された安倍さんがこの世からいなくなったのです。
安倍さんが凶弾に倒れる一カ月ほど前の六月上旬に、安倍さんの対談本(『安倍晋三 時代に挑む! 』)がワックから刊行されました。私との対談も何本か収録されています。哀しいことに、この二冊が、安倍晋三さんと葛西敬之さんからの『最後のメッセージ』となりました。葛西さん、そして安倍さんの遺志を継ぐために、私たちは何をすべきでしょうか。政治家だけでなく、国民一人ひとりが意思表示を続けることが重要です。
葛西さんと安倍さんの魂はいまも生きています。この二冊の本を読めば、生き生きと甦ってもきます。「日本を取り戻す! 」ために、残された私たちが「国士」お二人の遺志をしっかりと継いでいくことが大事です。