知られざる海上保安庁 - 安全保障最前線 -

  著 者:奥島 高弘
  出版社:ワニブックス
  発売日:2024年1月23日
  定 価:本体1,700円(税別)
    
 
 
Amazon「内容紹介」より
 正直なところ、海上保安庁という組織の実態はあまり世間に知られていないと思います。
 確かに『海猿』『DCU』などの漫画、映画、ドラマ等の人気作品の影響で知名度が上がり、海難救助の仕事をしている組織だということは認知してもらえています。
 また、いわゆる尖閣問題をめぐる新聞・テレビの報道等で領海警備の仕事をしている組織だということも多くの国民に知ってもらえていると思います。
 しかし、海上保安庁が実際にどれくらいの予算で、どれくらいの人員がいて、どれくらいの守備範囲の仕事をしているのか、有事の際にはどのような対応をするのか、といった運用の実態についてはほとんど知られていません。
 特に最後に挙げた「有事の際にはどのような対応をするのか」については、さまざまな“誤解”をもとにした議論が散見されます。
 しかも、安全保障に関心の高い人たちほどそうした“誤解”をしている傾向があるように思われます。
 日本は島国です。
 ご存じの通り、日本は、尖閣諸島における中国の領海侵入の問題や、韓国との間の竹島をめぐる問題、ロシアとの間の北方領土問題など、さまざまな問題を抱えています。我が国を取り巻く安全保障環境は年々厳しいものとなっており、日本の周辺海域はつねに紛争の火種を抱えているといっても過言ではありません。
 その最前線で対応しているのが海上保安庁です。
 海上保安庁が“誤解”されたままでは、日本の安全保障をめぐる議論そのものが誤った方向に進んでしまうおそれがあります。
 当然のことながら、それは日本の国益にとってプラスになりません。
 海上保安庁にまつわるさまざまな誤解を解いた上で、組織運営の実態を知ってもらい、地に足の着いた国家安全保障の議論をしてもらいたい――それが本書を執筆した大きな動機のひとつです。
 
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奥島 高弘(おくしま たかひろ、1959年〈昭和34年〉7月7日 - )
第46代海上保安庁長官。海上保安大学校本科第28期卒業。
北海道出身。北海道小樽桜陽高等学校を経て、1982年(昭和57年)に海上保安大学校を卒業する。
海上保安官として警備救難、航行安全等の実務に携わり、政務課政策評価広報室海上保安報道官、根室海上保安部長、第三管区海上保安本部交通部長、警備救難部警備課領海警備対策官、警備救難部管理課長、総務部参事官、第八管区海上保安本部長、警備救難部長などを歴任する。
2018年(平成30年)7月31日、海上保安監に就任する。
2020年(令和2年)1月7日、海上保安庁長官に就任する。
2022年(令和4年)6月28日、海上保安庁長官を退任。