中国を見破る

著者:楊 海英
出版社:PHP新書
発売日:2024年8月22日
定価:本体1,000円(税別)
 
 
 
 習近平政権はなぜ、歴史を書き換え、他民族弾圧、対外拡張を続けるのか――。世界で起きているその災禍は、他人事ではない。
 
 《日本の読者に向けて、中国の本質を語ることは、私にとって特別な意味がある。しかしながら、私の名を初めて目にされる方は、「楊海英とは何者か?」と思われることだろう。そこで、私がこれまで見聞きしてきたモンゴル人と中国人の対日感情を、年代を追って紹介することで、私・楊海英(モンゴル名はオーノス・チョクトで、日本名は大野旭)についても知ってもらえればと思う。(中略)
 私は1964年生まれだが、2年後にあの悪名高き文化大革命がはじまった――》「序章 私の体験的中国論」より
 
 古くから様々な面で交流が続いた隣国ゆえに、見過ごし、見逃している「本質」がある。中国とは何か、中国人とは何者か。日本人があらためてその問いに対する解を見いだすために、求められる視点とは――。
 本書のブックカバーが示すように、まず見慣れた世界地図を逆転させてはどうか。そう、モンゴル人が、北方を背に、南方の中国を眺め、西方に無尽のユーラシア世界を見たように――。
 そうして、自身の見方・考え方を呪縛するものから解き放って、異なる視点で、現実を見つめ直す。多様性が求められる現代に、そのような新しい逆転の視座の獲得が、世界のなかの中国、歴史のなかの中国の姿を捉え直すことにつながり、これからのチャイナリスクへの備えとなる。
 
[主な内容]
序章 私の体験的中国論
中国の本質を見破る3つの視点/モンゴル、中国、日本……そして私・楊海英/北の草原からきた異民族の新入生/粗野が美徳だった不思議な時代/「知識青年」たちの対日意識/中国のガラス工場で見た「中国の本質」 ほか
 
Ⅰ部 中国の本質を見破る視点① 歴史を「書き換える」習近平政権
日本人の教養としての中国史と中国文化/不可解なる日本人の中国観/いつから「中国5000年の歴史」になったのか/文明の起点はどこか/健全で骨のある研究者も中国にはまだいる/「新疑古派」というスタンス/古代中国は漢人が治めたのか/「漢族」が誕生したのは20世紀 ほか
 
Ⅱ部 中国の本質を見破る視点② 「他民族弾圧」の歴史と現在
征服と国土開拓のあいだ、そして中華思想のはじまり/漢人、それは歴史を書き換える民族/「負け惜しみ」思想から、異民族に対する憎しみへ/「わが国の北方少数民族」という滑稽な言説/「前期グローバリゼーション時代」をつくった遊牧民/中国の宗教敵視とチベット仏教への弾圧 ほか
 
Ⅲ部 中国の本質を見破る視点③ 「対外拡張」の歴史と現在
空母「福建」、反日デモ、パンダ外交……/日本に学んでいた清朝は歴史的に例外の時代/朝貢圏の構築と拡大解釈、そして中華天下論/征服、和親、宗教弾圧、中国発「一帯一路」の野心/中央ユーラシアに無知になった中国/日本への中国の拡張/台湾有事とその未来 ほか
 
おわりに─結章にかえて─
「他国を理解する」ことを知らない国家があるという現実/世界の歴史を俯瞰し、中国の暴走を阻止せよ!
 
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<著者>
楊 海英
◆静岡大学 人文社会科学部教授
 
 1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。静岡大学人文社会科学部教授。日本名は大野旭(おおの・あきら)。北京第二外国語学院アジア・アフリカ語学部日本語学科卒業。同大学助手を経て、1989年に来日。総合研究大学院大学博士課程修了。専攻は文化人類学。博士(文学)。著書に、第14回司馬遼太郎賞受賞の『墓標なき草原(上・下)』(岩波書店)、第3回「国基研 日本研究賞」受賞の『チベットに舞う日本刀』(文藝春秋)と『日本陸軍とモンゴル』(中央公論新社)などがある。