「文明の裁き」をこえて―対日戦犯裁判読解の試み―

出版社：筑摩書房

発売日：2025/06/12

定価：本体1,760円（税込）

 

戦後80年のいまこそ問いなおす――

東京裁判とは何だったか

その核心に迫る！

 

検察官が「文明の裁き」と位置づけた東京裁判で、日本人戦犯はいかに西洋文明と対峙したのか。膨大な記録から戦犯裁判の実像に迫ってきた著者の代表作。

 

「文明の裁き」――東京裁判を始めとする対日戦争犯罪裁判を、原告である旧連合国はそう位置づけた。そのなかで、戦犯とされた日本人はいかにして西洋文明という異文明に対峙したのか。膨大な法廷速記録をはじめとする諸史料を丹念に読み解き、「曖昧な答弁で責任追及をはぐらかす日本人戦犯」という丸山眞男流のイメージは誤りだったことを明らかにする。また、西洋側の判事・弁護人にも日本の理解に努めた者がいた。その苦闘の跡から、「文明」の内実を問いなおす。戦犯裁判の実像に迫る研究を積み重ねてきた著者の代表作にして、山本七平賞受賞作。