中国の人権問題に対する日本の取組と日本国再生への道

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顧問・参議院議員 衛藤晟一

勉強会の情報が中国に筒抜け
 只今ご紹介に与りました参議院議員の衛藤晟一です。本日のテーマにあります「チベット・ウイグル・南モンゴル」の人権問題等々に関しまして、私共も長年に亘り取組んで参りました。20数年前のことですが、その頃はまだ中国の人権問題について現在のように国際社会が問題視し、声を上げるという状況ではありませんでした。平沼赳夫先生や中川昭一先生、後から安倍晋三先生も加わり、まずはウイグルとチベットの問題を取り上げて勉強会をスタートしました。
 当時の状況からして、勉強会を開催するに当たっては、話の内容が外に漏れてはならないということでホテルの一室を借りて始めました。その時、ある女性が近付いてきまして、ウイグルについての色んなデータを提供してくれたり、本も出版しているというので私どもも信用していたのですが、後に、勉強会に参加している我々メンバーの事や勉強会の内容が、その女性を通してすべて中国に筒抜けになってしまうという、大変な事態になりました。さすが「中国」。見事に足を掬われてしまいました。中国の怖さを実感しました。
 
中国による様々な圧力
 我々はこれを乗り越え、最初に憲政記念館で、平沼さんや中川さん、私を中心にこの問題についての大会を開きました。その時から安倍さんも参加していただくことになりました。20数年前のことです。その時、ウイグル人のある男性が東京大学に留学していました。彼は一時的に中国に帰国するということで日本を発ったのですが、中国に帰国した途端、身柄を拘束され、第一次安倍政権が終わっても日本へ戻れず、安倍さんからも直接話をしてもらったのですが、そのうち彼の奥さんや子供さんにも中国からの圧力がありました。日本に身元引受人がいないという理由で、結局大学には戻ることはできませんでした。すべて中国の圧力でした。
 ウイグル、チベット、南モンゴルの問題は、日本国内でもたくさんの方々が運動に身を投じておりますが、今は更に厳しい監視体制のもと、本国に暮らす家族が様々な形で迫害を受けていることを皆様に知っていただきたいと思います。
 このような状況の中、「日本政府が世界ウイグル会議の日本での開催を認めれば、内政に対する干渉であり、中国の安定と安全利益を損なうだけでなく、日本自身の安全にも害がある」との恫喝とも受け取れる書状が、駐日中国大使の程永華氏から多くの国会議員に届きました。