皆様こんにちは。只今ご紹介にあずかりました元陸幕長の岩田です。
去る8月6日、7日に実施しました台湾政策シミュレーションについてご報告したいと思います。
シミュレーション概要
写真1は、シミュレーションの開催会場に勢揃いした日本セルの写真です。日本政府の官邸会議室をイメージして、ここに総理役をはじめ閣僚役に集まってもらい、約1日半、議論するという「模擬」を行いました。写真2は参加された政治家10名の方々とケビン・メア氏との記念写真です。この方々が主役となって議論を行い、様々な課題を導き出してくれました。
今回実施した目的は大きく2つあります。1つは、「我が国の安全保障上の課題を抽出して政策提言に繋げる」こと。2つ目は、「参加者の一層の理解の深化と国民の意識向上を図る」というものです。
日本政府の9大臣会合という場で意思決定をする机上演習という形で実施し、日本セルがその主役となります。ここに逐次状況を付与して、閣僚役の方々にその状況に基づいて考え、議論してもらいました。
「米国はどうするのだ」という質問があれば、ホワイトセルの中の米国セル=米国政府役の方々に返答してもらいました。或いは中国の習近平主席に成り代わって様々な状況を出してもらったり、台湾の蔡英文総統になって、台湾はこう考えているという状況を逐次流したり、或いはメディア担当が日本世論はこう動いていると状況を流し、これらを踏まえて意思決定に繋げてもらう、このような枠組みで実施しました。
配役については、主役となる閣僚として、総理大臣役・小野寺五典氏、総務大臣役・和田義明氏、外務大臣役(初日)・国土交通大臣兼国民保護担当大臣役(2日目)・松川るい氏、外務大臣役(2日目)・薗浦健太郎氏、財務大臣役・山下貴司氏、経済産業大臣役・有村治子氏、国土交通大臣役(初日)・細野豪志氏、防衛大臣役・大塚拓氏、内閣官房長官役・木原稔氏にお願いしました。
またそれぞれの省庁のブレーン、大臣の補佐役として、元次官級の方々にサポートをお願いし、国家安全保障局長役には兼原信克元国家安全保障局次長、4人の幕僚長役に、最近退官した元陸海空将に参加してもらいました。
カウンターパート役のホワイトセルは、米国務長官役・長島昭久氏、米国防長官役(2日目)・細野豪志氏、そして米大統領役・ケビン・メア元米国務省日本部長にお願いしました。その他、中国、台湾、法制、沖縄、メディア、サイバーの分野のプロに集まってもらい、対応していただきました。