「冬戦争」における 日本陸軍のフィンランドでの諜報活動

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主任研究員 増永真悟

 1939 年11 月30 日、ソ連がフィンランドへの侵攻を開始し、俗に言う「冬戦争」(Talvisota)が始まった。当時のフィンランド軍は10 個師団、約20 万人。対するソ連軍は70 個師団、約100 万人の大軍でフィンランドへ攻め込んだ。当初「大国ソ連は1 週間で小国フィンランドの全土を制圧するであろう」と世界中で予想された同戦争は、フィンランドの勇戦により翌40 年3 月まで続いた。フィンランドは講和条約においてソ連に対する一部領土の割譲を余儀なくされたものの主権国家としての独立は守り抜いた。