4 年目に入ったロシア・ウクライナ戦争は、トランプ米大統領が本格的な停戦仲介に乗り出したことで新局面に入った。米、ウクライナ両国は3 月11日の高官協議で、ロシアが応じるなら、ウクライナ全土で30日間の停戦に入り、和平協議を始めることで合意。交渉に当たったルビオ米国務長官は「ボールはロシアのコートにある。ロシアが同意すれば、停戦へ動き出す」と述べた。
これに対しロシアは、3 月18日の米露首脳電話協議で、全面停戦を拒否し、エネルギー・インフラへの相互攻撃停止に同意した。長期化するウクライナ戦争で停戦機運が浮上したのは初めてだが、ロシアのプーチン大統領は陸海空の全面的停戦については「ウクライナ軍の一時的な休養になるだけだ。我々は何も得られない」などと慎重な構えを崩していない。今後も複雑なプロセスが予想され、トランプ氏の親露姿勢も障害になりそうだ。