米国は司法の武器化を止められるか―新FBI長官に期待する―

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日本近現代史研究家 渡辺惣樹

 新FBI長官カッシュ・パテル誕生
 米民主党は連邦捜査局(FBI)長官職に指名されていたカッシュ・パテル(Kash Patel)氏の就任に激しく抵抗していた。しかし去る2月20日、米上院は51対49で承認した。
 パテルは1980年にニューヨーク市に生まれた。風貌から分かるようにインド系移民の第二世代である。2005年にニューヨーク市のペース大学(私立)法学部を卒業している。インド系と言っても両親はウガンダに移住し、独裁者のイディ・アミン政権下で暮らした。それだけに司法が独裁者のツールになる怖さを十分すぎるほど経験していた。両親の味わった恐怖を聞かされていたのではないか。