安倍政権の支持率が、森友、加計、日報問題で急落した。ワイドショーよろしく連日報道されるこれらの問題は、国政を左右する核心となり得る問題でないことは恐らく解っていながら、一強多弱を批判する野党の反安倍政権姿勢を露呈した。7月27日、その筆頭に立ち自らの二重国籍問題を棚に上げ、政権追及の手を緩めなかった民進党代表の蓮舫氏は、先の都議選の敗北、党の求心力低下を理由に辞任を表明した。
しかし、この一連の流れの本質を見抜いていた国民は冷静だった。日本国憲法施行から70年を迎えた今年、安倍政権の本丸「憲法改正」への国民の理解は5割を超えている。この現象に焦燥感を募らせたGHQの占領政策(WGIP)墨守勢力は何が何でもこの動きを阻止するために、「問題」や「事件」を探し拡大させ、文科省の悪しき伝統まで国民の知るところとなった。国会の場で議論すべきプライオリティをはき違えた「政治家」に対する嫌悪さえ感じた人も少なくない。今語られるべきは、喫緊に迫った中国、北朝鮮の脅威に対する国防政策について与野党がともに協議し、国家、国民を守ることが最重要課題であることを、国民は承知している。その証拠に、この騒ぎの間、野党の支持率が上がらなかったことを真摯に受け止めるべきではないか。
自民党は年内に憲法改正草案の取りまとめを目指す方針である。5月3日、2020年の新憲法施行を表明した安倍首相は、「自衛隊が違憲かどうかの議論に終止符を打つのは私たちの世代の責任だ」とした。
我々国民は今、現憲法が占領下におかれ施行された当時の国際情勢と著しく変貌していることを正しく認識し、益々複雑化する国際社会にあって正々堂々と主権国家としての有るべき姿となすべき役割に対し、正面から向き合える国家を目指すことこそが、「強靭な国家」足り得ることを知らねばならない。
「アメリカ追随を許してはならない」「自衛隊は違憲だ」という矛盾を唱え続け、憲法改正を阻む諸兄は、ではどうしたらこの国を守れるのか、守り切れるのかをしっかり説明して貰いたい。
ケント・ギルバート氏の米国人法律家だからこその数々の指摘と提案は、出席者に憲法改正に向けての新たな視点を導くものとなった。