11月のトランプ大統領のアジア歴訪で、日本にとって最も大きな成果は、北朝鮮の核・ミサイル問題についての認識を共有できたことであるが、一方、米中会談では南シナ海・東シナ海における中国の野望が浮き彫りになった。
朝鮮半島の非核化については、これまで6者協議を始め様々な取り組みがなされてきたが、結局は北朝鮮の時間稼ぎに使われ「核保有国」として名乗りを上げる寸前まできてしまった。金正日時代から金正恩体制下の今、核実験、ミサイル発射回数は急増し、いつ何時日本海を隔てた我が国に、更に太平洋を越えた米国本土に撃ち込んでくるか、その切迫した脅威に対する戦略は、石油・食料の禁輸や海外資産の凍結などの制裁強化に中露の足並みが揃わない中ではあるが、徐々にそのレベルを上げている。トランプ大統領、マティス国防長官、ティラーソン国務長官など米国の主要メンバーの対北政策はどのような形で折り合いをつけ、どういう結論に至るのか。
米国のアジア政策については超党派で協議し、共和党、民主党政権に拘わらず安定的な政策が望まれる。その観点では、安倍政権はアジアのみならず先進国の中で長期かつ最も安定した政権であることから、トランプ政権としてもアジアにおけるリーダーシップを日本に期待していると言える。
確かに安倍政権では、集団的自衛権の一部容認など、日本の外交・安全保障政策については現状の国際情勢に適合する妥当なものとなり、装備面についても、陸上配備型イージス、新型早期警戒機E-2D及び第5世代戦闘機F-35の採用などにより、特に日米安全保障条約に基づくチーム・ディフェンスはより一層深化して来ていると思われるが、日米統合運用に関しては未だ発展段階にあると、メア氏は語る。