第131回
「日韓関係 ー打開策はあるのか―」
―日本の国家目標、米国の国家目標、韓国の国家目標―

長野禮子 

 今回は有史以来最悪と言われる日韓関係について、統一日報主幹の洪熒氏をお招きし、日本では報道されていない事柄などについて詳しくお話いただいた。
 統一日報は、文在寅大統領と韓国国民が戦う全世界で唯一の新聞である。今の韓国は内戦中で、戦況は最悪の複雑骨折、反日イデオロギーの主体が韓国の操縦室を乗っ取っている。

「反日感情」という誤診と「反日種族主義」の克服:反日感情という言葉は昔からあったが、今は反日イデオロギーである。日米韓の関係を破壊するのが、文大統領の目標である。それを金正恩と習近平が支援している。真実と嘘の戦争が、3年の内戦で次第にその輪郭が明らかになってきた。文在寅、金正恩と習近平による全体主義トライアングルがあり、それに対抗して、その体制では絶対生きたくないという多数の韓国国民による内戦という構図である。日韓関係の診断が間違っていることを理解しなければならない

ロウソク政変(反乱)の結果:法と裁判制度を革命の手段とする法専門家グループが職業革命家たちに服務し、代議制民主政治と三権分立が消滅し、韓国のレジームチェンジが現実化することとなった。文大統領は、反日種族主義を憲法の上に置き、板門店宣言を憲法の上に置く。憲法が禁じる政治的宣言を憲法の上に位置付けるから、法律が機能しない。歴代政権にもよく見られた。

文在寅・金正恩・習近平の全体主義独裁体制 vs 自由主義右派・韓米同盟派の内戦:朝鮮労働党に南北統一の司令塔が出来たのは1966年。彼らの政治的目標は、①韓国の国家保安法の撤廃、②国家情報院の廃止、③駐韓米軍の撤退――である。これを無くせば、韓国は共産主義と戦う術はない。その熾烈な最後の攻勢が行われている。即ち、反日種族主義にエネルギーが注がれ、拡大再生産されるのを如何に抑えて断つかが、戦略戦術的な結論となる。

米中戦争:米中戦争がいかに深刻化しているか。文明の戦争、第3次世界大戦と位置付けることができる。「一つの中国」の否定は、韓半島の「1953年体制」の変更を意味する。韓半島は米中戦争の戦略要衝である。「社会主義を否定」する米国と「社会主義の固守」を宣言する中・朝、それと連帯する文在寅・主思派政権という対立構図である。

日本のメディアは全部フェイクニュース:毎週土曜日に、数万人が韓国で「日本と同盟を結んで、中国と戦おう」とデモをしても、日本ではニュースにならない。香港のデモは報道するが、韓国は反日でなければならないというのが日本メディアの姿勢だ。文大統領は、敵と組んで自国を攻撃する與敵罪で訴えられ続けられている。このことを日本はなぜ報道しないのか。

日韓関係へのビジョン:日韓関係へのエネルギーを未来に向けて発散させる。共産全体主義との文明の戦争を共同で戦い、対中戦争後はアジア大陸の建設で両国が協力。米中戦争は、日韓関係改善のための弥生時代以来の同盟化のチャンスだと信じている。


テーマ: 「日韓関係 ー打開策はあるのか―」
―日本の国家目標、米国の国家目標、韓国の国家目標―
講 師: 洪 熒 氏(元駐日韓国大使館公使・統一日報論説主幹)
日 時: 令和元年7月29日(月)14:00~16:00
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