今回米国より一時帰国した渡部悦和氏は、イアン・ブレマー著『「Gゼロ後」の世界―主導者なき時代の勝者はだれか』を挙げ、その中で、世界は最早リーダーなき不寛容で利己的な世界へと傾きつつあり、G7(Group of seven)やG8(Group of eight)、G20(Group of twenty)といった グループを無くす傾向に向かっているとの指摘を紹介した。 一方、自由と民主主義を標榜し、広く世界平和を目指してきた時代から、民族や国境を越えて紛争が絶えないこの地球は、まさに「炎上する世界」と化し、強いリーダーの存在が期待される。
ロシアは軍事力を背景としてウクライナを併合し、シリアにまで手を伸ばす。中国が推し進める「海の長城」計画、中東諸国の不安定、ISIS等による国際テロ、英国のEU離脱、難民問題、債務危機・・・。
今世界に求められているのはプーチン露大統領のようなリアリストであり、決してきれい事だけのドリーマーでは乗り切れないと話す。米国の大統領選の行方も目が離せない。
多くの矛盾を抱えている複雑な現実を思い知らされる。