謹啓
皆さま民間の方々の善意のご協力を得て、秦郁彦『慰安婦と戦場の性』の英訳Hata Ikuhiko, Comfort Women and Sex in the Battle Zoneが、アメリカの大手出版社ハミルトンブックス(Hamilton Books)から二〇一八年九月出版されました。たいへん時間がかかりましたが、モーガン麗澤大学準教授の手になる立派な三八三頁の英訳で、世界に通用する、きちんとした綿密な学問的な註もついております。アマゾンにもすでにハードカバー、一一三六三円と出ております。
日本叩きの具と化すかに見えた慰安婦問題について、このような客観的な研究書が英訳という形で世界に向けて発信され、心ある人にも読まれ、日本についてのあらぬ誤解を解くのに役立つであろうことは、嬉しいことに存じます。
この英訳出版のために醵金をして下さいました皆様に募金の呼びかけ人として御報告申し上げ、御礼に代えさせて頂きます。 謹白
「対外発信助成会」代表・東京大学名誉教授 平川祐弘
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秦 郁彦(はた いくひこ)
1932(昭和7)年、山口県生まれ。現代史家(日本近現代史・軍事史)。1956(昭和31)年、東京大学法学部卒業。同年大蔵省入省。その後、ハーバード大学、コロンビア大学留学、防衛研修所教官、大蔵省財政史室長。プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授を歴任。法学博士。1993年度の菊池寛賞受賞。2014年『明と暗のノモンハン戦史』(PHP研究所)で毎日出版文化賞受賞。第30回正論大賞受賞。
主な著書に、『南京事件 増補版』(中公新書)、『慰安婦と戦場の性』(新潮選書)、『病気の日本近代史』(文芸春秋)、『昭和史の秘話を追う』『慰安婦問題の決算 ―現代史の深淵』(PHP 研究所)、「Hirohito, The Showa Emperor in War and Peace」(Global Oriental. 2007)等がある。
ジェイソン・モーガン(Jason Morgan)
1977年、アメリカ合衆国ルイジアナ州生れ。歴史学者。日本史研究者。テネシー大学チャタヌーガ校で歴史学を専攻後、名古屋外国語大学、名古屋大学大学院、中国昆明市の雲南大学に留学。その後、ハワイ大学の大学院で、東アジア学、特に中国史を専門に研究。卒業後は、韓国の慶尚北道英陽郡で英語教師として滞在。再び日本に戻り、翻訳に従事。2014~2015年、フルブライト研究者として早稲田大学法務研究科で研究、2016年、ウィスコンシン大学で博士号を取得。現在、JFSS研究員、麗澤大学外国語学部助教。
著書に『アメリカはなぜ日本を見下すのか?』『リベラルに支配されたアメリカの末路』(ワニブックス)、『日本国憲法は日本人の恥である』(悟空出版)、共著に『英語対訳で学ぶ日本』(育鵬社)がある。